年末相場の盛り上がりを期待してはいるが、新しい材料に欠け、一進一退の株式市場。全体的に下落しているので、配当の高さが際立つくらいで、その…楽しくない(?)。じっくり銘柄選びぐらい、楽しみましょうか!


京都大学iPS細胞研究所の山中伸弥教授のノーベル生理学・医学賞受賞を受けて、10月の株式市場は「再生医療関連株フィーバー」に沸いた。その物色人気の中心にいたのがiPS細胞の作製受託サービスを手がけるタカラバイオ。材料が出た直後の株価497円からわずか7営業日で1010円まで急騰の快進撃となった。iPS細胞に関する特許については、京都大学が主体となって取得している。民間企業は、京都大学のライセンス管理会社「iPSアカデミアジャパン」を経由してライセンス供与を受ける形だ。そのiPSアカデミアジャパンとライセンス契約を結んでいるのが上場企業では唯一、タカラバイオ。このほか非上場企業のリプロセル、ディナベック、ユニーテックなどがライセンス契約を締結しているとされる。国を挙げてiPS細胞研究には予算が投入される可能性が高まり、もちろんタカラバイオの相場もこのままで終わることはないだろう。実は、毎年ノーベル賞が話題となるこの時期は、3月決算企業が業績発表前の「サイレント期間入り」の前後にあたる。相場が材料難の展開になりがちのため、さらに注目度は高まりやすくなるのだ。

今回の物色人気は再生医療関連ベンチャーにとどまり、大手企業への本格的な波及はなかった。タカラバイオの親会社である宝ホールディングス、iPS細胞製の治療用細胞を培養する装置を実用化させた島津製作所、iPS細胞由来の心筋細胞を世界で初めて発売したニプロ、文部科学省が推進する「再生医療の実現化プロジェクト」の一角である武田薬品工業、アステラス製薬などは、次の現実買いの場面で本領を発揮しそうだ。それまでは、医学生物学研究所など表の銘柄のほか、DNA自動抽出装置で世界トップのPSS、抗体医薬につながる抗体作製で優れた技術を持つカイオム・バイオサイエンス、ガン免疫療法サービスのテラなどに?夢を買う〞相場展開が期待される。ただし、いずれも値動きは荒いので注意。


この記事は「WEBネットマネー2013年1月号」に掲載されたものです。