「肌を乾燥から守るためにはmコンニャクや大豆、ヨーグルト、ホウレン草や米など、普段よく食べている食品をバランスよく取ることが大事」と語る、かくた皮膚科クリニックの角田美英院長

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本格的な冬の到来を前に、“乾燥肌”対策をうたう男性用のスキンケア商品市場が拡大している。

例えば、ロート製薬の男性用化粧品「OXYシリーズ」は、2006年の発売当初の売り上げは出荷ベースで年間約21億円。それが、わずか5年で約31億円に大幅アップしたという。

また、花王の「メンズビオレシリーズ」も、今年3月に“浸透”や“高保湿”をうたった化粧水を発売し、現在、目標比約120%のセルアウト状態だといわれる。

需要・供給ともに増加傾向にある男性用の冬の乾燥肌ケア市場だが、そもそも男の肌と「乾燥」はどのような関係なのだろうか。「築地皮膚と手のクリニック」院長の木村直弘先生がこう語る。

「通常、しっとりと潤った肌は鎧を着ている状態。肌が乾燥するというのは、鎧をひび割れさせ、外部からの侵入を許しているのと同じこと。つまり、バイ菌など、外部環境からの影響を受けやすくなってしまうのです」

花王の商品広報センター、金馬由季さんも続ける。

「20代、30代の男性の頬などの水分量は女性の約2分の1しかないにもかかわらず、同じ部位の皮脂分泌量は約1.4倍もあるんです」

いわば、男の肌は“砂漠”と“油田”が共存しているような状態。どうやら、これが乾燥を加速させる要因らしい。「かくた皮膚科クリニック」院長の角田美英先生が、より詳しく解説する。

「20代から50代の男性は、ホルモンの関係で皮脂の分泌が多いのは仕方のないことなんです。ところが、それを気にしておしぼりで顔をこすったり、つい顔を洗いすぎてしまうため、乾燥しやすいのです。また、女性のように化粧水や乳液をつけて保湿する習慣もないので、それも乾燥肌になりやすい原因のひとつでしょう」

乾燥を促進させてしまうと、皮膚炎を引き起こすケースもあるという。

「肌表面にある角質細胞をレンガとしたら、セメントのようにそれらをつなぐ角質細胞間脂質という物質があるんです。これが不足すると体内の水分が蒸発しやすくなり、バイ菌などの侵入を許してひび割れたり湿疹化することも。さらに症状が進むと肌がガサガサになってはがれたり、手のひらや足の裏の皮膚が異常に硬く厚くなることもあります」(角田先生)

では、肌を乾燥から守るために、日常的に実践すべきケアの方法とは?

「実は角質細胞間脂質のほとんどは、セラミドという物質でできているんです。ですから、セラミドの不足には乾燥性敏感肌のためのスキンケア化粧品で、外から補ってあげるといいでしょう。コンニャクや大豆、ヨーグルト、ホウレン草や米など、普段よく食べている食品にもセラミドは含まれています」(角田先生)

これらの食品をバランスよく取り、睡眠をよく取ること。寝不足では睡眠時に行なわれる肌の修復が間に合わなくなってしまうからだ。

「衣類も化繊のものはやめて、絹や綿など保湿効果が高く、空気が出入りしやすい自然素材のものを着用してください」(角田先生)

普段の生活の心がけで改善できる、男の乾燥肌。かゆみやかさつきに悩む人は、気をつけてみるといいだろう。

(取材・文・撮影/山脇麻生)

■週刊プレイボーイ51号「男のための『冬の乾燥肌』対策室」より