米国のQE3(量的緩和第3弾)発動が新興国株にもたらした影響は、今のところ限定的。だが、中国の新体制誕生を先取りして、10月の香港株は上昇した。ここから年末に向けて新興国株相場はどう動くのか?



10月の新興国株市場は、香港のハンセン指数が月末までの1カ月間で約5%上昇したのを除いて、おおむね横ばいから小幅下落で推移した。

FRB(連邦準備制度理事会)がQE3(量的緩和第3弾)の実施を発表して9月の相場は軒並み上昇したが、新興国への資金流入効果はさほど表れていないようだ。

中国本土の代表的インデックスである上海総合指数は、9月に節目の2000ポイントを割り込んだ後、やや反発。10月中旬には2100ポイントを回復したが、その後は2000〜2100ポイントのボックス圏相場が続いている。

10月18日に発表された中国の第3四半期GDP(国内総生産)成長率は7.4%と減速が続き、投資マインドは依然冷え込んでいるようだ。

11月8日から開催された中国共産党全国代表大会で向こう5年間の新指導体制が固まったが、今後の中国株相場にどのように影響するのか注目したいところである。

対照的にハンセン指数が上昇したのは、外国人投資家が新体制による中国の景気回復期待を先取りしたものとみられる。GDPこそ減速しているが、中国の9月の貿易や鉱工業生産、固定資産投資などは回復傾向にあることも香港市場への資金流入を促しているものとみられる。

一方、10月に大きく下げたのが韓国株。KOSPI(韓国株価総合指数)は月末までの1カ月間で約4%下落した。

特に下げ幅が大きかったのが現代自動車、起亜自動車などの自動車関連株。ウォン高傾向とともに輸出が落ち込むことが懸念されたようだが、下旬以降は安値で買いを入れる動きも見られた。



この記事は「WEBネットマネー2013年1月号」に掲載されたものです。