世の中には、目をそむけたくなるような話があります。といっても、背筋も凍るホラーや怪談の類ではありません。たんに不愉快なだけです。

 有名大学の学生を調べると、裕福な家庭の子どもが多いことが知られています。そこから、「貧しい家に生まれると教育を受ける機会もなく、ニートや非正規になってしまう」とか、「金持ちの子どもだけが私立の進学校に進み、エリートになるのは不公平だ」などの批判が起こりました。自らも有名大学の出身である大学教授などは、「“教育格差”をなくすためにもっと公費(税金)を投入すべきだ」とか、「低学歴で就職できない若者には国が(税金で)教育支援すべきだ」などといっています。

 ところで、「金持ちの家の子どもは有名大学に進学できる」という因果関係は正しいのでしょうか?

 以前の回で述べたように、行動遺伝学は、一卵性双生児と二卵性双生児の比較から、知能における遺伝の影響が80%以上であることを明らかにしました。この結論は厳密な統計的手法から導かれており、現在に至るまで有力な反証はありませんから、“科学的真理”です。

 行動遺伝学によれば、正しい因果関係は、「知能の高い両親から生まれた子どもは有名大学に進学する可能性が高い」というものです。知識社会では一般に、知能の高いひとが高収入を得ていますから、有名大学の学生を調べると結果的に「金持ちの家の子どもが多い」ということになるのです。

 どうです? 目をそむけたくなるような話だと思いませんか。

続きはこちら(ダイヤモンド・オンラインへの会員登録が必要な場合があります)