「1ドル=50円時代」は確実に迫っている! ギリシャ離脱してもユーロは混迷続く
2013年の経済はこうなる!米欧経済の混迷とともに、来年も円高基調は続く」と語るエコノミストの浜矩子氏。かねてから浜氏が予想してきた「1ドル=50円時代」が確実に迫りつつあるという。



世界経済は総崩れに。欧州で唯一健闘するドイツもピンチに陥る!

2013年の世界経済がますます深刻な状況に陥ることは間違いないだろう。

米国が9月にQE3(量的緩和第3弾)の実施に踏み切り、日銀も相次いで緩和措置を打ち出しているのは、経済減速に歯止めがかかっていないからであり、債務問題で混迷が続く欧州も?台風の目〞であるスペイン、ギリシャを中心に大きなマイナス成長が見込まれている。欧州で唯一頑張っているドイツも、周辺国の低成長の悪影響を免れることはできない。しかも、スペインやギリシャ救済のため、ドイツの財政負担はどんどん重くなっている。

アジアを見ても、欧州向け輸出の不調などが原因で中国の経済成長はスローダウンしており、その他の国・地域も全体として経済成長に陰りが見え始めた。グローバル化の影響で、世界経済が総崩れの状態になっているのだ。
 
10月に東京で開かれたIMF(国際通貨基金)総会では、財政再建を優先課題としながらも、成長に配慮した財政政策を進めていくことが各国・地域に提言された。国の借金を減らしていくことは大事だが、成長がこれ以上減速すると世界経済がもたなくなるという危機感がにじんでいる。

しかし、成長と財政再建が矛盾する取り組みであることは明らかで、これはいわば「胃腸にやさしい暴飲暴食」を勧めているようなものだ。

QE3に効果はなし。債務上限を引き上げれば米国債はさらに格下げも

両立しうるはずのない政策を同時に進めなければならないほど、世界経済は窮地に追い込まれているのである。

長期的な視点で考えれば、目の前の成長をある程度は犠牲にしても、各国・地域は財政再建に重きを置かざるをえないだろう。

財政問題を放置して国債相場が下落すれば、経済がますます混乱し、将来により大きなツケを回すことになってしまうからだ。

財政政策の打ち手が封じられている米国は苦肉の策としてQE3を実施したが、効果が期待できないのは明らかだ。

量的緩和には金利を抑えることによって国内の投資や消費を活性化させる狙いがあるが、マネーが国境を越えて自由に飛び交う今日においては、量的緩和を実施すると資金がどんどん国外に流出してしまう。

国内に資金をとどめたいのなら、むしろ緩和ではなく金融引き締めを行なわなければならないという、教科書通りにはいかない状況になりつつある。

これでは米国経済の本格的な回復への期待は薄い。

かといって、政府の債務上限を引き上げて景気刺激のための財政出動を実施したりすれば、米国債の格付けがますます下がってしまう恐れもある。八方ふさがりの状況だ。

欧州は、債務問題との向き合い方を改める正念場を迎えようとしている。

巷間語られているように、ギリシャを2013年にユーロから離脱させることが実現すれば、欧州債務問題は一時的な小康状態が得られるだろう。

しかし、それは「終わりの始まり」にすぎない。

仮にギリシャを追い出すことができたとしても、スペイン、イタリアなどの国々が問題を抱えたまま残り続けるからだ。欧州主要国の総債務に対するGDP比のグラフをみてもわかるように、ギリシャを筆頭にイタリア、アイルランド、ポルトガルが指数で100を超えており、いつ破綻してもおかしくないことがわかる。

こうした国々を一つ、また一つと追い出していくのには時間がかかる。しびれを切らしたドイツが先に出ていってしまうかもしれない。