音楽編

業界トレンドNEWS Vol.154

音楽編

CGM、リッピングなど、業界志望者なら知っておきたいキーワードも!


■宣伝、ファンとの交流、新人の発掘など、インターネットの活用に期待がかかる

社団法人日本レコード協会によると、1998年における音楽ソフト(CD、アナログディスク、カセットテープ、音楽ビデオなど)の売上額は6075億円だった。ところが、2011年には2819億円となり、市場規模は半分以下にまで縮小。音楽業界は、厳しい経営環境に置かれている。09年までは成長を続けていた有料音楽配信も、09年の910億円をピークに、10年には860億円、11年には720億円とマイナスに転じた。スマートフォンの普及が進んだことで、従来型携帯電話向け音楽配信サービスの利用停止が広がったのが主な原因だと考えられている。

こうした中、シングルCDの売り上げは好調。10年は373億円で対前年比9パーセント増、11年は432億円で対前年比16パーセント増となった。ただし、音楽ヒットチャートなどの情報を提供するオリコンによれば、10年におけるシングルCDランキングの年間ベストテンはAKB48と嵐が独占。11年も、AKB48が5曲、嵐が2曲を占めた。今後、シングルCDが売り上げを伸ばすためには、勢いのあるアーティストが多数登場し、市場が活性化することが不可欠だろう。

CDの売れ行きが落ちたことで、「コンサートやテレビ出演で宣伝して、CDの販売増につなげる」という従来型のビジネスモデルは通用しなくなった。そこで音楽各社は、ミュージックビデオ販売、有料音楽配信、コンサート、音楽フェスなどのイベント、グッズ販売といった多彩な手法を組み合わせ、トータルの売り上げを伸ばす道を模索している。特に注目されているのが、デジタルとの融合だ。デジタル書籍と音楽を組み合わせた新商品や、携帯端末向けソーシャルゲーム向けに音楽を提供するなど、「デジタルコンテンツ+音楽」というパッケージには期待が集まっている。

インターネットの活用も焦点。例えば、きゃりーぱみゅぱみゅはYouTubeでプロモーションビデオを配信し、世界中から数多くのアクセスを得たのを足がかりに、フランスなどへの進出を果たした。また、韓国のアーティスト「PSY(サイ)」の楽曲「江南(カンナム)スタイル」も、YouTubeで大きな評判を呼んでいる。このように、プロのアーティストにとって、インターネットを使った宣伝活動はますます重要になりそうだ。また、ネットを通じてアーティストとファンの結びつきを強める取り組みも始まっている。ソニー・ミュージックは11年8月から、スマートフォン向けの「オフィシャル・アーティストアプリ」を順次リリース。最新ニュースやビデオクリップなどを無料で提供している。そして、アメリカの歌手レディー・ガガは、ファンとの交流を目的としたSNS「LittleMonsters.com」を、12年7月に開設した。こうした中、音楽業界志望者にはネットを有効活用するセンスが必要になるかもしれない。

ネットは、新しい才能を発掘する場としても期待されている。例えば、エイベックス・マーケティングが運営している無料音楽配信サイト「muzie(ミュージー)」では、12年11月時点で20万曲以上に及ぶアマチュアミュージシャンの楽曲が公開中。YouTubeやニコニコ動画といった動画投稿サイトにも、多くの楽曲が投稿されている。こうしたサイトで有望な新人を見いだし、育てていく仕組みを作ることなども、音楽会社にとって検討課題となるだろう。