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米国で成立した「紛争鉱物の開示に関する規則」が日本のメーカーに多大な悪影響を与えようとしている。

この規則は、その名の通り?紛争地域〞から産出される鉱物を使用することにより、その代金が反政府ゲリラなどに渡り、紛争の資金源になることを防止するためのもの。

紛争鉱物とは、コンゴ民主共和国またはその周辺国を原産とする可能性のある錫すずいし石、コロンバイト・タンタライト、金、鉄マンガン重石およびそれらの派生金属(錫、タングステンおよびタンタル)を指す。

対象は、米国の証券取引法に基づく定期報告書をSEC(米国証券取引委員会)に提出している企業で、これらの鉱物を使った製品を製造している企業。米国企業、外国企業の関係なく、使用している鉱物が紛争鉱物であるのか、ないのかを調査し、SECに報告・開示する義務を負う。

これらの鉱物・金属は、電子機器、自動車、産業機械、医療機器、航空宇宙関連、照明器具、宝飾品など、さまざまな製品に多用途で使用されている。

報告・開示義務はニューヨーク証券取引所に上場している日本企業なども対象となる。SECでは、国内外の企業6000社が影響を受けると推計している。

しかし、問題はそれほど生易しいものではない。たとえば、自動車などは下請け、孫請けといった部品メーカーなどを合わせれば、何万社という企業が関係してサプライチェーン(供給・流通網)を形成している。その中で、該当する鉱物を使用している企業は、すべて調査する必要がある。

このため、米国のコンサルタント会社では、SECの推計の10倍以上の企業に影響を及ぼすとしており、数十万社規模の企業に影響があると見積もっている。
さらに、1つの企業においても、10社程度から数千社程度に上る企業の紛争鉱物使用に関する情報を収集しなければならず、その多くは未上場の中小企業になると予想している。

さらに、紛争鉱物の開示に関する規則では、調査を行なった報告書について、米国が認可を与えている監査法人などによる監査を義務づけている。

このため、紛争鉱物に関する調査費用、あるいは監査費用といった今回の規則導入で必要になるコストは、少なく見積もっても1社当たり数千万円、場合によっては億円単位が必要になりそうだ。



この記事は「WEBネットマネー2013年1月号」に掲載されたものです。