オーロラを見てみよう




皆さん、「オーロラ」って知っていますか? 実際に見たことはありますか?



クリスマスが近づくと、街中ではあちこちできれいなイルミネーションが見られるようになりますが、オーロラと言えば「光のカーテン」にも例えられるような大自然が生み出す光のショーです。



今回は、そんな幻想的なオーロラにスポットを当ててみたいと思います。





■ オーロラができる仕組み



はるか昔からその現象の存在を知られていた「オーロラ」ですが、紀元前にはギリシアの哲学者アリストテレスが自身の著書『気象論』の中でオーロラのことを天の裂け目から燃え出す炎であると説明しています。



そんなオーロラですが、いったいどのようにしてできるのでしょうか。



実は、オーロラは太陽と深い関係があります。



太陽からは、日常的に電気を帯びた高温の粒子(=プラズマ)が音速を超える速さで地球に届いています。



これを「太陽風(たいようふう)」と呼びますが、この太陽風の粒子は、地球の大気中の酸素や窒素などの原子に高速で衝突することで発光します。



もう少し詳しく説明しましょう。



太陽風の中には電子が含まれていますが、この電子が酸素原子や窒素原子と衝突すると、原子は電子からエネルギーを受け取ります。



すると、原子は「励起(れいき)状態」と呼ばれる不安定な興奮状態になります。しかし、この興奮状態は一時的なもので長くは続かず、この状態から元の状態に戻ろうとするときに、余ったエネルギーを光として放出します。



この光が地上からはオーロラという形で見えるわけです。





■ 日本ではめったにオーロラが見られない理由



ところで、オーロラは主に北極圏や南極圏を中心とした極地方で見られる現象で、日本で見られたという話はめったに聞きません。



これはなぜでしょう?



先ほど、太陽風が地球の大気と衝突することによってオーロラは発生すると説明しましたが、もし大量のプラズマを地上の生物たちが日常的に浴び続けていたとしたら、その生命さえ脅かされるほどの影響を受けるはずです。



しかし、実際のところ生物にはその影響が見られません。



実は、このことが日本でオーロラが見られない理由に深くかかわりがあります。



というのも、幸いなことに地球には磁場が存在します。



大きな1つの磁石のような性質を持った地球は、全体が磁場で守られているため、太陽風が直接地表まで届くことはありません。



太陽からやって来た太陽風は、地球の大気に衝突する前に、北極付近にあるS極と南極付近にあるN極とを結ぶ磁力線に沿った形で極地方へと運ばれていき、そこで初めて大気中の原子と衝突して発光します。



そのため、オーロラは極地方で多く見ることができるわけです。



ただし、太陽の活動が活発な時期になると、太陽風の勢いも強くなるため、(日本では「めったに」見られない…と書きましたが)まれに日本でも観測できることがあります。





■ オーロラの色と形



オーロラは、赤・緑・青などさまざまな色で発光していますが、この色は電子が大気中のどの原子と衝突したのかによって決まります。



酸素原子と衝突した場合には赤色や緑色、窒素原子と衝突した場合には赤色や青色といった具合です。



オーロラが発生するのは、高度100km〜500kmの電離圏と呼ばれる付近ですが、この範囲の中でも高度が高いところでは酸素原子と、逆に高度が低いところでは窒素原子と多く衝突します。



そのため、これらの色が混ざり合って、赤や緑、紫といった色のオーロラが見られるというわけです。



また、その形がカーテンのように見えるのは、上で説明した地球の磁場によるものです。

地球の磁力線の方向に沿って光るため、カーテンのヒダのように見えるのです。





■ まとめ



地球で見られる自然現象の中でも、とても魅力的な現象の1つであるオーロラ。



そのオーロラは、太陽からやってくるプラズマの粒子が地球の大気と衝突したときに起こる現象であることがお分かりいただけたでしょうか。



ちなみに、「オーロラ」という呼び方は、ローマ神話に登場する暁(あかつき)の女神「アウロラ」がもとになって名付けられたものですが、まさに地球の闇に暁をもたらすような現象と言えますね。





(文/TERA)



●著書プロフィール

TERA。小さいころから自然科学に関心があり、それが高じて科学館の展示の解説員を務めた経験も持つ。現在は、天文に関するアプリケーションの作成や、科学系を中心としたコラムを執筆している。