意外と知らない法律の「へー」な話




法律はそっけない文章で難しく書かれていますが、そのバックボーンは人間の生活を成立させるためにあります。調べてみると「えっこんな理由で成立してるの?」なんて話が結構あるものです。ほんの触りですがご紹介しましょう。



■20年占有したら自分の土地に!



自分に所有権のない土地でも、そこを(誰にも文句を言われることなく)20年連続して占有した場合、その土地の所有権は占有者の物になるという法律があるのをご存じでしょうか? これは民法162条にその規定があります。いわゆる「20年規定」というものです。例えば、あなたが誰のものかわからない空き地に家を建てたとします。で、誰からも文句の出ることなく住み続けて20年たったとします。するとその土地の所有権はあなたのものになるのです。



聞くとなんだか不公平なように思うかもしれませんが、これはいつまでも訴訟が続くような事態を避けるためにあります。もしこういった規定がないと「100年前の3代前の曽祖父の時代にはここはうちの土地だった、出て行け!」みたいな訴訟がどんどん起こせることになってしまいます。



■御成敗式目にも同じ規定がある!



この現代の「20年規定」と全く同じ規定が、はるかな昔、鎌倉時代の『御成敗式目』にもあるのをご存じでしょうか。御成敗式目は1232年8月27日に成立していますので、780年も前の武士政権の法令ですが、その第八条に「土地占有之事」というのがあるのです。これによると「御家人が20年間占拠していた土地は、所有者が現れても返還しなくてもいい」と定められています。



「一所懸命」の言葉通り、武士はそもそも自分の土地に命を賭ける存在です。土地の所有に関するトラブルを解決する機関として、鎌倉幕府は全国の武士から信望を集めたに違いありません。一定の期間が過ぎたら、その土地の所有権は実効支配の事実をもって決するという、一種の時効制度、これを「年紀法」と言います。年紀法の精神は約800年もの時間を超えて現代まで受け継がれているわけです。



■源泉徴収っていつ始まった!?



税法に目を向けて見ましょう。「源泉徴収」という方式があります。例えばサラリーマンの場合、給与支払者の会社のところで税金をとられており、その税金は会社から国に納付されるために個人としては関与しようがありません。



サラリーマンにとってはイヤな制度ですが、国にとっては川上で一網打尽に集金できるいい仕組みなわけです。この源泉徴収が実は比較的新しいのをご存じでしょうか? 実は源泉徴収制度は第二次大戦中の1940年4月1日から始められました。



日本が源泉徴収を導入したのは、戦費確保に都合がいいと判断したからです。参考にしたのはナチスドイツです。ドイツが先に導入していて、その高い集金率から日本も導入を決めました。戦争は終わりましたが今でもその制度は続いています。



日本が特異なのは「年末調整」というシステムです。源泉徴収を導入している国の多くは、その清算に「確定申告」という「自己申告制度」を用います。でも日本の場合には、清算においてもより川上に近いところでやるという仕組みを取っているのです。



ほかにも法律にまつわる興味深い話は尽きません。ではまたの機会に!





(高橋モータース@dcp)



【関連リンク】