山田隆道の幸せになれる結婚 (9) 「運命の人」とはいったいなんなのか?

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僕が現在の妻と結婚したのは34歳のときだ。

妻と出会い、付き合いだしたのが32歳のときだから、つまり2年間の交際を経て結婚に至った。

実際にデータを調べたわけではないが、この交際期間はごく一般的な長さだろう。

スピード婚や電撃婚の類でもなければ、長年の愛を実らせた末に晴れて結婚というわけでもない。

適度に大人になった男女同士がお互いのことをよく知ったうえで、この人となら生涯を共にしていける、と確信した結果である。

しかし、結婚生活というのは奥深いもので、あれだけの交際期間を経て、かつ結婚してからも1年半以上が経過したというのに、いまだに妻に対する新しい発見や計算違いというものが当たり前のようにある。

それがいわゆる「こんなはずじゃなかった」という嘆き節につながるのだろうが、きっと妻も妻で、僕に対して同じ思いがあるに違いない。

ちなみに最近では、睡眠時の僕のイビキが年々うるさくなっており、その騒音によって妻の睡眠が妨げられるということが、我が夫婦の大きな悩みの種である。

僕もイビキ対策を色々考えてはいるのだが、今のところ効果的な案は見つかっておらず、かくなるうえは別々の部屋で寝るしかない。

付き合っていたころは、このイビキ問題がそこまで深刻ではなかったため、きっと妻も「こんなはずじゃなかった」と嘆いていることだろう。

本当に申し訳ない。

自分でも「まさか自分が……」なのです。

そう考えると、いくら交際期間が長くとも、それによってお互いのことをすべて熟知するなんてことは現実にはありえないのだろう。

10代や20代前半にありがちな、一時の恋愛感情の燃え上がりによる「勢い結婚」や、それに付随する「できちゃった婚」の場合はともかく、人生や恋愛の経験をある程度重ねた年齢になってからの結婚は、いわゆる婚活の過程において、どこか相手のことを見切り発車的に「運命の人」だと断定しただけにすぎない。

本当の意味で「運命の人」なのかどうかは、そんなもの、神のみぞ知るのだ。

ところが、世の中には「運命の人」というものにこだわって、長い交際期間があるにもかかわらず、なかなか結婚に踏み切ることができない人がいる。

中には付き合って何年にもなる恋人がいるのに、わざわざ占い師に「運命の人」について相談し、そこで占われた人物像と現実の恋人との違いにショックを受けるなんてケースもちらほら耳にする。

今の恋人が「運命の人」でないなら、やはり結婚するのは時期尚早なのではないか。

後になって「こんなはずじゃなかった」と後悔するのではないか。

だったら、今の恋人と別れて、新たに「運命の人」を探す旅に出たほうがいいのではないか。

そんな答えのない自問自答を繰り返し、婚期をずるずる引き延ばしてしまう。

私見だが、これは30代前半の女性に多いと思う。

20代後半の女性なら、30歳という足音が結婚を決断するための絶好の後押しになったりするが、30歳を過ぎると少し開き直るのか、あるいはより慎重になるのか、とにかく理想が高くなるわけだ。

さて、翻って僕の場合はどうか。

冒頭に書いたように、妻と結婚生活を送る中で「こんなはずじゃなかった」と思うことは多々あるものの、それでも自分の結婚相手探しにミスがあったとか、結婚が時期尚早だったとか、そういう後悔の念はまったくない。

別にのろけるつもりはないが、現在の妻こそが「運命の人」だと断言できる。

それはきっと、僕が勝手に「彼女こそ、自分にとって唯一無二の運命の人だ」と設定したからだろう。

「運命の人」が誰かなんて命題に正確な答えはないのだから、だったら自分で答えを設定するまでだ。