不動産アドバイザーに聞く。不動産屋が「やる気」になるお客とは

写真拡大

知人の不動産屋さんが、「いいお客さんには、いい部屋を見つけてあげたいと思う」と話すのを耳にし、「いいお客さんとはどういう人?」と気になりました。

そこで、『不動産屋は見た! 〜部屋探しのマル秘テク、教えます』(原作・文 朝日奈ゆか、漫画 東條さち子 東京書籍)というコミックエッセイの主人公のモデルとなった不動産アドバイザー・穂積啓子さんにお話を伺ってみました。

■オーナーもいい入居者を待っている「この人ならいい部屋を見つけてあげたい、と思うことはありますか」という問いに、穂積さんはこう答えます。

「もちろん、あります。

どのような仕事でもそういう感情はあるでしょうが、部屋探しは特に、お客さんにとっては生活の快適さを左右する大きな買い物です。

同時にそれは、オーナー側にも言えることなんです。

入居が決まると長いお付き合いになるわけで、オーナーはいつもいい入居者さんとのご縁を待っています。

不動産屋は入居者とオーナーをつなぐ仲介人ですから、『いい人をいいオーナーに紹介する』ために、いいお客さんに会いたいと常々考えています」■真剣に部屋を探しているかどうか次に、親身になりたいと思うお客さん像について具体的に尋ねました。

「『真剣に部屋を探されているかどうか』がネックです。

初めての電話やメールでのお問い合わせ、店頭への飛び込みの方の場合、自分の情報をオープンに教えていただける、希望条件を明確に伝えてくださる方からはその真剣さが伝わってきます。

こちらは仕事として本気で向き合いますから、冷やかしやひまつぶしで内見を希望する、ほかで決めているのを隠している、かなり先の予定である場合など、真剣ではないなということはたいてい分かります。

お問い合わせがあれば、氏名、住所、電話、年齢、職業、転居の目的、ご予算、部屋の希望条件をたずねる、あるいは用紙に書いていただきますが、あまりにあやふやだったり、連絡先を記さなかったりする人はちゅうちょする何らかの理由があると判断します。

真剣な人とは、ビジネスに直結するわけですから、不動産屋もいい仕事をしようという気になります」(穂積さん)■場所や間取り、家賃などの希望条件が明確である「探したい部屋のイメージが具体的にある方は、ある程度の情報を集めておられるようで、時間を割いて探されているのだなと感じます。

『エリアのご希望は?』、『ご予算は?』、『間取りは?』など質問をしても『はー?』、『えーっと……』と、何も答えない方の場合は、『まだ探す気がないのかも』、とか、『一人暮らし? 彼女と暮らしたいだけかな』などと想像します。

部屋探しは動機や目的があってこそすることで費用も必要ですから、希望条件がないとは考えにくいのです」(穂積さん)■希望と予算が見合っているか「希望条件に対する相場を勉強されていると、真剣さが伝わってきます。

また、まだ調べておられなくても、こちらのアドバイスを受け入れて勉強される姿勢を見せられる人はやはり本気で探している人だと感じます。

一方で、『新宿駅から徒歩5分ぐらいで2LDKで60平米以上で、眺望が良くて閑静で、バストイレは別で浴室乾燥機完備で、築浅で……、予算は6万円』などと、あまりに条件と予算がかけ離れている場合は、不動産屋は、『あ、このお客さんは決まらないな』と察します。

どのような部屋を紹介しても、『えー、違う』と次々と断られることが予想できるからです」(穂積さん)■家賃を払ってくれそうか「オーナーにとって最も避けたいのは、家賃の滞納です。

希望条件を聞く、職業を聞く、内見をして話をする、という段階を踏む過程で、『家賃はきちんと払ってくれそうか』ということを察します」(穂積さん)■ご近所トラブルを起こしそうにないか「家賃の滞納の次に避けたいのは、ご近所トラブルです。