他にも「内国産場所有奨励賞」や「距離割増賞」、「父内国産馬奨励賞」など、さまざまな手当てがあります。

これらの賞金や手当てを考えると、月の厩舎預託費70万円を稼ぐには、月に2回レースに出走させれば「出走手当」だけで70万円を超える計算になります。

もし入賞すれば1レースで月の厩舎預託費をカバーすることも可能でしょう。

コンスタントに走らせることができれば、ランニングコストをカバーするだけなら意外と簡単なのかもしれません。

しかし、馬の購入費用と牧場育成費用を減らすことは難しいでしょう。

馬の購入費用と牧場育成費用の元を取るには、さらに上のクラスのレースに出走させて同じように優勝、または入着させていかなければなりません。

1,000万円の馬の場合は、重賞競争で入賞したり、長い期間コンスタントに走らせて何度も入賞すれば、元を取ることはそこまで難しくないでしょうが、何億もの高額な馬の場合、「そこそこの活躍」では元を取るのは不可能です。

馬は生き物です。

ケガなどのトラブルもありますし、早期に引退させなければいけなくなるかもしれません。

そうなると安価な馬でも元を取ることは不可能になります。

馬を持つのは本当に「賭け」と言えるでしょう。

ちなみに前述の「6億円の馬」は走ることなく引退しました。

競走馬としては1円も元を取れていないわけですね。

そう考えるとお金持ちじゃないと馬主なんてやってられないでしょう(笑)。

(貫井康徳@dcp)