前回は、シニア世代でも、例えば70歳まで働くことで人的資本が増える分、それに応じてリスクを取った資産運用ができ、結果として資産を大きく増やせる可能性があるという話をしました。

 ただ、資産運用で成果をあげるには、その前に投資について基本的な知識を身につける必要があります。そこで、今後数回にわたり投資に必要な基礎知識をご紹介していきます。

金融知識に自信のないオヤジ世代

 金融広報中央委員会が9月下旬に発表した「金融力調査」によると、老後の費用について78.3%の人が「年金のみで賄えない」と考えており、そのうち62.0%が他の資金で「準備ができていない」と回答し、老後に不安を抱えている姿が浮き彫りになりました。結局、全体の約半分(78.3%×62.0%=48.5%)の人が年金だけでは足りないが、自分で手当てできていない状態、つまり「リタイアメント・プア」予備軍であることがわかりました。確かに、これは厳しい現実を示していますが、ある程度予想されたことで、むしろ私が興味をひかれたのは別の項目です。

 この調査では他にも、金融の基礎(金利の計算、インフレ、リスクとリターンの関係)に関して出題し、そして金融に関する知識や判断力についての自己評価を質問しています。金融の基礎に関する問題では、正解率は男女とも現役世代(18〜64歳)は年を取るほど上がりますが、65歳以上になるとガクっと下がります。一方、金融知識などの自己評価では、最も自信を持っているのは意外にも65歳以上でした。つまり、65歳以上の人は、金融力は相対的に低いものの、それに関する自己評価は一番高いという皮肉な結果となりました。

 一方、オヤジ世代に相当する「男性50〜64歳」のセグメントを見ると、金融知識等に自信がある人の割合は2割強と、3割弱であった「男性65歳以上」を下回っています。つまり、65歳以上とは対照的に、オヤジ世代は正解率が高いのに、金融知識などに自信が持てないという結果でした。もしかしたら、これが「自分年金」を形成するうえで障害となっているかもしれません。

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