法律は理想!? ルールを守らないベネズエラの人々

海外駐在員ライフ Vol.174

From Venezuela

ルールを守らないベネズエラでは飲酒運転しても捕まらない?


■めったに捕まらない飲酒運転

こんにちは。チャンチートです。今回は、ベネズエラの人々についてお話しします。

ベネズエラの人々と接してまず驚いたのは、ルールを守らないこと。飲酒運転と運転中の携帯電話利用は法律で禁じられているはずなのに、どちらも平然と違反します。聞くところによると、法律は「できれば守ろうね」程度の拘束力しかなく、そこに書かれているのは単なる「理想」だと言うのです。確かに、罰則こそ定められているものの、それを気にする人もあまり見かけません。あまりにも違反が一般的になり過ぎて、「みんなやっているから、捕まるなら自分以外の誰かだろう」と考えているようです。そのせいなのか、はたまた道路が整備されていないせいなのか、交通事故は非常に多く、日本で一度も交通事故を見たことのない私が、3カ月の間に4〜5回は事故を目撃しているほどです。

時間を守らない人も非常に多く、約束した時間に行っても、30分待たされるのは当たり前。まず時間通りに話は始まりません。イベントなども、開始予定時刻の1時間後くらいから始まるのが普通です。司会者が約束通りに来ないのだから仕方ありません。13時スタートのセミナーなら、始まるのは早くて13時半か14時に始まるものと思っておいた方が無難です。

その一方で、禁煙のルールは比較的きちんと守っているので驚きます。この国では、禁煙エリアが法律で定められており、至るところに「禁煙」の張り紙があるのですが、張り紙があるところで喫煙している人を見たことがありません。また、人が並んでいる列に割り込むような人も皆無。エレベーターで一緒になれば、見知らぬ人にでもあいさつするなど、目の前にいる人に対するマナーはきちんとしている国ですね。

ただ、時折とんでもないことも起こります。例えば、赴任当初、住まいを見つける前にホテルに滞在していたときのこと。下着やシャツの洗濯を頼めるかホテルのフロントに尋ねたところ、有料で引き受けるというので頼んだら、「水洗いのみ」「アイロンは不要」と告げてあったにもかかわらず、すべてドライクリーニングされて返ってきました。そして、約5万円を請求されるではありませんか。見ると、ご丁寧に洗濯ネットのアイロン代まで含まれているのです。粘り強く抗議・交渉した結果、洗濯ネットのアイロン代は免除となりましたが、結局約3万円を支払う羽目に。下着用のTシャツ1枚に約1500円かかっている計算になります。どうやら、ホテルとクリーニング業者との伝達がうまくいっていなかったようで、ホテルとしては業者に発注した以上、料金は払ってもらわないと困るということなのでしょう。その立場も理解できないわけではないのですが…。やはり人の言うことを簡単に信じてはいけないのだと肝に銘じた次第です。


■事件に巻き込まれずに帰れるとホッとする

ベネズエラ、特に首都カラカスでの暮らしで避けて通れないのが、治安がとても悪いこと。2011年の殺人件数は年間1万3716件で、同年の日本の殺人認知件数は1051件であることを考えると、人口2900万人の国としては、格段に物騒であることがわかるかと思います。強盗、誘拐など銃による犯罪も蔓延(まんえん)しており、とても夜にフラフラと出歩く気分にはなれません。昼食を買いにオフィスの近くの店に行くときも、帰ってきてから「今日も事件に巻き込まれずに済んでよかった」とホッとするくらいです。

ここベネズエラでは、2012年10月に大統領選が行われ、チャベス大統領が再選されました。前回もお話ししたように、ベネズエラでは国の統制が厳しく、政治の影響が生活に直結しています。そのためか、皆、非常に政治に関心が高く、オフィスでも政治がよく話題にのぼります。ただし、チャベス派と反チャベス派の間の溝は非常に深く、選挙前には死者も出たほどの対立ぶり。したがって、レストランのようにそばで誰が聞いているかわからない公衆の面前では、チャベス派・反チャベス派を刺激するような発言は慎むようにしています。ましてやチャベス派に向かってチャベス大統領の悪口を言うなど論外。こうした点でも注意が必要です。

次回は、カラカスでの暮らしについてお話しします。