成果を上げるインプットとアウトプットのバランスは?

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物事の価値を測る公式をご存知でしょうか。

「Value(価値)=Output(成果)/Input(リソース)」

この公式は、投入したインプットに対して得られるアウトプットが多いほど価値が高くなることを示しています。企業の利益率を示すROI(return on investment)という指標も、この公式がベースです。利益(アウトプット)を資本(インプット)で割り、その企業の価値を測るわけです。

価値の向上を図るときは、インプットとアウトプットのバランスを考えることが大切です。片方だけに注目して、「とにかくコスト(インプット)を削減すればいい」と考えるのは愚策です。インプットを減らした以上にアウトプットも減ってしまい、「安かろう悪かろう」となって価値の低下を招く恐れがあります。

アウトプットだけに注目した場合も同じです。成果を最大化することだけに注力すると、成果の増加分以上に予算を使い、最終的に赤字になることも考えられます。

価値を高めるインプットとアウトプットの組み合わせは、次の5つです。

1)アウトプットを減らし、インプットをそれ以上に減らす。
2)アウトプットは横ばいで、インプットを減らす。
3)アウトプットを増やし、インプットを減らす。
4)アウトプットを増やし、インプットは横ばい。
5)インプットを増やして、アウトプットをそれ以上に増やす。

どのパターンで価値の向上を図るにしても、どちらか一方だけをいじるのではなく、両方のバランスを考えながらマネジメントする必要があります。

■お金と時間には、決定的な違いがある

実はこの公式のインプットやアウトプットは、お金に限りません。時間や空間、人員、手間など、成果を生み出す原料となるものすべてにあてはまります。

そう考えると、時間とお金は性質が近い。リソースという意味ではほぼ同じです。

お金と時間は、どちらも先の物事の価値を測る公式を適用できます。だから公式が頭に入っている人はお金を効果的に使えるし、時間も効果的に使えます。

お金の使い方がうまい人は、休憩時間も投資的です。「この時間を休憩に充てるなら、しっかりと休んで時間の価値を高めよう」と、お金の投資効果を考えるかのように時間を取り扱います。逆にお金を有効に使えない人は、時間を消費的に使って、「スマホをいじっているうちに休憩が終わってしまった……」と後悔しかねない。この差は大きいのです。

ただし、お金と時間には決定的な違いがあります。

お金は増やせますが、時間は増やせません。お金は人に渡したり貯金することができますが、時間は人に渡したり貯めておくこともできません。お金と違って、時間は1人1日24時間。足りなくなったからといって、人から時間をもらって自分の時間を30時間にすることは不可能です。

また、お金は戻せますが、時間は戻せません。お金でモノを買った場合、モノをふたたび換金することは可能ですが、時間は一度使ったら取り戻せない。

その点でも、時間はお金以上に貴重だといえます。

時間とお金の効果的な使い方はよく似ていますが、時間はお金より大切であり、ムダづかいできないということは意識しておく必要があります。

(※『ビジネススキル・イノベーション』第7章 時代の潮流をつかむ(プレジデント社刊)より)

(横田尚哉)