駆け込み対策?投資家大ピンチ!証券税率10%→20%だけじゃない!復興特別所得税 2.1%
2013年からは復興特別所得税が追加課税され、株の譲渡益や配当金が10.147%に。さらに2014年からは税率が10%から20%に。株式市場に訪れる大増税時代の対策は?


来年は10.147%、再来年は20.315%に増税は規定路線…(涙)

大増税の波は、日本株に投資する個人投資家にも押し寄せている。相場が極度に低迷していたのは2003年1〜4月。その2003年から、株式の売買譲渡益や配当にかかる税金は従来の20%ではなく10%の軽減税率が適用されている。この特例措置は度重なる延長を経て、すでに10年近く税率10%が維持されてきた。しかし、2011年の税制改正で決まった軽減税率の期限が2013年末に迫り、政府も今度こそ本来の税率である20%に戻す意向だ。ネット証券各社では軽減税率の延長を求めるネット署名を行なうなど、増税反対の声が湧き起こっている。

「最初は5年間の特例措置だったものの、すでに10年近く続いてきたわけですから、再び延長される可能性は捨て切れません。あくまで、次の政権次第、相場次第といえるでしょう」(西原さん)

だが、証券税制に迫る増税は1年以上先の税率倍増だけではなかった! 見過ごされがちだが、2013年1月から始まる復興特別所得税の存在だ。

「復興特別所得税とは、東日本大震災からの復興に必要な財源確保のために創設された所得税。これは給与所得だけでなく、株の譲渡益や配当金などすべての所得に幅広く課されます。そのため、現状7%の所得税率に増税分の2.1%、つまり『7%×0.021=0.147%』分が上乗せされることが決定しています。所得税7.147%に住民税3%で合計10.147%が来年以降の証券税率になるわけです」(西原さん)



ETFやJ‐REIT、信用取引も税率UP…

この税率はETF(上場投信)、J −REIT(不動産投信)などに加え、信用取引の譲渡益にも適用される。

「信用買いをした銘柄を配当権利最終日をまたいで保有した場合、信用売りをしている投資家から徴収した配当金相当額が信用買いをしている投資家に支払われる仕組みになっています。正確には配当金ではなく「配当調整金」です。この配当調整金にも0.147%の復興特別所得税がかかります」

では、どの時点の配当金から10.147%の税率が適用されるのか?

「配当の権利が今年中に確定しても、配当金の支払日が2013年になると税率は10 .147%になってしまいます。配当金の支払額は株主総会の決議を経て決定となるので、通常は総会の翌日が配当金の支払日です。つまり、10月末や11月末に配当権利が確定しても、株主総会が来年2013年に開催される場合などは、2013年の税率が適用されます」

と語るのは松井証券営業推進部の鶴田亮さん。さらに、同シニアマーケットアナリストの窪田朋一郎さんは、「今後も継続される配当金収入と株式の譲渡損失の損益通算や、3年にわたって可能な譲渡損失の繰越控除をフル活用して、かしこく投資するのがよいでしょう」とアドバイスしてくれた。



小額&長期の投資家向けの減税策が導入!?

ちなみに、2014年1月の税率20 %実施に際しては、株の譲渡益にも配当金にもまったく税金がかからない少額投資非課税制度、日本版ISA(個人貯蓄口座)が導入される話も浮上している。

詳しくは左下の表を参照してほしいが、毎年100万円を上限に、3年間で最大300万円の投資枠に対して、配当金や譲渡益が10
年間非課税になるというもの。

「長期的な資産運用を非課税で行ないたい投資家には大変魅力的な制度です。ただ、現行制度では2014年からの3年に投資期間が限定されていますが、それでは証券会社もシステム投資の元が取れないでしょう。どうせなら、恒久化して、より使い勝手のいい制度にしてほしいものです」(西原さん)





西原 憲一
UFPF代表取締役

税理士、CFP認定者。FP業務のほか、セミナー講師、マネー誌執筆でも活躍。税金の払い方を考えるタックスプランニングの達人。



窪田 朋一郎
松井証券シニアマーケットアナリスト

松井証券シニアマーケットアナリストとして活躍中。



鶴田 亮
松井証券営業推進部

松井証券顧客サポート部を経て現在は営業推進部に所属。



この記事は「WEBネットマネー2012年12月号」に掲載されたものです。