『アルファマン・リターンズ』

ウェブ上で才能を発掘し育てるという触れ込みで、講談社のウェブサイト「プロジェクト・アマテラス」は2012年4月にスタートした。ここから書籍化作品の第1号が、小説新人賞「ワルプルギス賞」第1回受賞作として、11月26日に刊行された。

かつての「ヒーロー」が10年後…

受賞作となった久楽健太著『アルファマン・リターンズ』とは、かつて世界を救った特撮番組の「ヒーロー」のような主人公が、10年後、もう一度「正義」のために立ち上がるという話だ。悪を倒し、しがないヒーローショーをやって生活する元ヒーローの前で、殺人事件が起こる。そこで主人公は、ヒーロー不在の現実のなか、すべてを投げうって再度「正義」を追い求める決断を下す……。

ここには新時代の英雄譚が、若い著者の手により、新しい感覚で描かれている。

著者のプロフィールは、ウェブで連載中はまったく明らかにされていないが、大学時代にキックボクシングでリング経験もあるという、25歳の青年だ。

また、本書のカバーは特撮番組風で非常に凝ったもので、メカ好きなら思わず手に取りたくなりそうだ。映画監督の樋口真嗣が装丁で、フンボルトのイラスト。帯のキャッチコピーもサイト上で募集したものだ。

日本人に元気を与えてくれる若い才能が、またひとり登場した。