興味はあるけど、わからないことだらけというボランティア初心者が抱く“素朴な疑問”にお答え。もしお礼にお金をくれると言われても、基本的には丁重にお断りしよう

写真拡大

東日本大震災以降、ボランティアに興味を持つ若者が増えている。しかし、未経験者にとってはなかなか実態を把握しづらいもの。まず、どこに行けば参加できるのかすらわからないという人も多いだろう。

現在、ボランティアはネットで探すのが主流。検索で簡単に見つかるが、多すぎるので初心者が自分とぴったり合うものを見つけるのは至難の業だ。そこで最初だけでも、経験者の友人などに同行したほうがいい。

思い当たる友人がいない場合は、社会福祉協議会に相談に行くという方法もある。窓口は全国すべての都道府県、市区町村に設置されており、被災地ボランティアはもちろんのこと、高齢者や障害者の支援など、さまざまなボランティアを紹介してもらえる。

また、ボランティア初心者の心配事のひとつに「ケガをしたら治療費は出るのか?」というものがある。基本はあくまで自己責任。ただ、危険を伴う被災地でのボランティア活動などでは、多くの団体で「ボランティア保険」への加入を推奨、あるいは義務づけている。

加入は前出の社会福祉協議会の窓口で必要書類に記入の上、申し込む。掛け金は300円から1400円で、加入者自身の死亡やケガに対する補償はもちろん、ボランティア中に他人に与えた損害も対象となる。

無事にボランティアに従事できたとしても、想像以上のツラさから辞めたくなる人もいるかもしれない。ボランティア活動は参加者の自発的な“やる気”に基づくとはいえ、無断でバックレるのは当然NG。ほかの人の邪魔にならないよう、きちんと挨拶してから帰ろう。

中には、お礼というかたちでお金をくれようとする人がいるかもしれない。こういう場合はケースバイケースとはいえ、基本的には丁重にお断りしたほうがいいだろう。

確かに、青年海外協力隊などの難易度の高いものは生活費や住居などが提供されるが、通常のボランティアは無償で行なわれるべきものだからだ。ただし、無償が条件のボランティア保険でも、昼食代程度をもらうことは認められている。

もっと明確に「お金も欲しい」という人は、いっそボランティアに近いアルバイト「ボラバイト」に参加してみるという手もある。時給は数百円程度と低いものの、仲間との出会いが期待でき、苦しんでいる人のためにもなる。

いろいろと不安もあるかもしれないが、ボランティアはどんなかたちであれ、人の役に立つ素晴らしい行為だ。初心者こそ、まずは思い切って一歩を踏み出してみよう。

(取材・文/逸村弘美 島田文昭 小林奈津子 イラスト/桐生真琴)