美しい...これがおそらく人類初観測の「浮遊惑星」(動画あり)

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この青く輝くマーブルの球体は「CFBDSIR2149」。地球から100光年の近場でモントリオール大学が発見しました。浮遊惑星と確認されたのは、おそらくこれが初めて

海王星ばりの美しさですが、大きさは太陽系最大である木星のなんと4〜7倍。こんな巨大なものが母星の引力を離れて茫洋と漂っているなんて、宇宙はなんと広いんだ...! 地球に衝突はしないけど、メランコリアに少し似てなくもないですね。

同大とケベック宇宙物理学研究所がフランスの天文学者の協力を得ながら発見した惑星です。中心となった科学者は仏グルノーブル惑星・天体物理学研究所フィリップ・ドローム(Philippe Delorme)氏。

ホームレスの星(=浮遊惑星)は母星の引力を離れて漂う星のこと。浮遊惑星の候補は前にも見つかっているんですが、他は恒星になり損ねた星(failed star、褐色矮星)であるのに対し、この「CFBDSIR2149」はれっきとした惑星。しかも我々の住む太陽系と似た恒星系からはぐれて漂ってるのが確認されたのはこれが初めてなのです。

同大博士課程学生ジョナサン・ガニエ(Jonathan Gagné)さんは種別の重要性・難しさを、こう説明しています。

「近年この種の物体は他にも見つかったが、科学的に惑星の年齢が実証できないと本当に存在することにはならないんですよ。難しいのはカテゴリ分けで、惑星か褐色矮星かは天文学者も見極めが難しいところです。褐色矮星は中心で核反応を起こすまでには至らないため、『failed star』の名でも呼ばれています。」


そこでチームはまずカナダ・フランス・ハワイ望遠鏡 (CFHT)で赤外写真を撮り、欧州南天文台(ESO)の超大型望遠鏡VLTで惑星の温度・大きさ・年齢を特定したんですね。その結果、年齢は5000万〜1億2000万歳、温度は400℃、大きさは木星の4〜7倍とわかったのです(参考記事)。木星の13倍を超えると惑星じゃなく褐色矮星と見なされてしまうので、セーフですね。

欧州南天文台(ESO)はこう発表しています。

通常の動き(毎年空を移動する傾きの変化)を統計的に解析した結果では、「かじき座AB運動星団(AB Doradus Moving Group)」と縁がある確率は87%、小さな「成り損ないの」恒星ではなく、惑星と呼んでいい若い星である確率は95%超。

もっと遠くの、非常に若い星団に浮遊惑星の候補は他にも発見されているが、このように詳細を分析することはできなかった。


幸い「CFBDSIR2149」は周辺に眩しい星もないため大気の状態もかなり詳しく調べることができました。結果的にこれでカテゴリの線引きができたんですね。

かじき座AB運動星団は、移動速度も年齢も組成も同じ30の星から成る星団です。チームではこの星団の太陽系のひとつからはぐれて宇宙を漂う惑星なんじゃ...と考えていますよ。

研究を率いたドローム氏は、詩情豊かに以下のように語っています。

 

「こういう天体は重要。星が形成される過程で非常に軽い天体が生まれ得る仕組み、惑星系から惑星が飛び出す仕組みを解明する手がかりになるからね。仮にこの小さな天体が母星系からはぐれたものであるとするなら、孤児となって無の空間に漂う、その天涯孤独な世界に胸が突かれる」


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*星が青く見えるのは大気の含有成分の影響です。映像・画像はESOのデザイナーのチームが「我々の住む太陽系の惑星のように、星に明るく照らされたらどう見えるか」というコンセプトでレンダリングしたものです。


Université de Montréal, ESO
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Jesus Diaz(原文/satomi)