この秋、ゴールデン枠に進出したTV番組『世界は言葉でできている』。偉人・有名人たちが残した名言を、一部伏せた状態で紹介し、この空欄に適した言葉をゲストたちが発表するといった内容です。

 名言は何かを当てるのではなく、アインシュタイン、ナポレオン、マザー・テレサ、岡本太郎、スティーブ・ジョブズなど、勇気と感動を与えてきた彼らの言葉を、「さらに超えるグッとくる言葉を創り出すこと」を目的としており、ゲストがオリジナルの名言で勝負するのです。より深い知恵を示せるか、より美しく語れるか、言葉でどこまで遊べるか、昔から日本の文芸で親しまれてきた本歌取りに通ずる、極めて知的で洗練された芸といえるのです。

 ゲストが作った名言は、男女100人が審査。これまでに多くの名言が飛び出し、一部が書籍『世界は言葉でできている Book Edition』のなかで紹介されています。例えば、司馬遼太郎が語った人間の器を測る言葉から。

 「○○○○○」のは二流、本当に賢い人間は「○○○○○」。

 この言葉に対し、芸人の又吉直樹・設楽統・板尾創路らが、自らの名言を発表。

■又吉直樹
「喝采を浴びる」のは二流、本当に賢い人間は「何もしていない」。

 特技は「人間関係」だというピースの相方・綾部は、先輩がどこに座るかを予め想定して灰皿の配置を済ませているそう。又吉自身はタバコを出してから灰皿を取りに行くため、違いを感じ、この言葉が生まれたのです。

■設楽統
「人の上に立つ」のは二流、本当に賢い人間は「人を立たせるものだ」。

 自身の経験から、すごい人ほど謙虚だと感じているとのこと。

■板尾創路
「剣を抜く」のは二流、本当に賢い人間は「いかに抜かなくて済むかを考える」。

 これは坂本龍馬のことを言っていて、歴史を動かす人間は、戦争ではなく、いかに戦わなくて済むかを考えてきたと、板尾は分析。


 では、実際に司馬遼太郎はどのような名言を残していたのでしょうか。それは、「鋭さを表に出す」のは二流、本当に賢い人間は「大ばか者にみえる」です。

 元々は産経新聞社の記者だった司馬遼太郎は、優れた取材力を持ち合わせており、多くの英雄たちの足取りを読み解き、豊かな言葉で記事を書いてきました。誰よりも英雄を知る男が、坂本龍馬について語った時の言葉が、この名言なのです。

 同番組に審査員として出演する金田一秀穂氏(杏林大学外国語学部教授)は、「この番組は、いまの日本人の言葉の民度を示すものである。これが受けるようであったら、日本はなかなか言葉に厳しく、しかも楽しむ余裕を持った人々なのだ」と、番組について語っています。

 「○○○○○」のは二流、本当に賢い人間は「○○○○○」。

 あなたはこの空欄に、なんて言葉を当てはめますか?



『世界は言葉でできている Book Edition』
 著者:「世界は言葉でできている Book Edition」制作委員会
 出版社:日本実業出版社
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