あなたは13歳の頃、どんな女の子でしたか? どんなことを考えていたか覚えているでしょうか? 「早く大人になりたい」「大人は何でも好きなことができていいな」と、思ったりしたことってありますよね。もしかしたら、「大人の危険な世界をのぞいてみたい」なんてことも、ちらっと頭をよぎったりしたかも。

 でも、実際に大人になってみると、そんなに好きなことばかりできないし、嫌なことも結構あるし、さまざまな現実的な問題に直面する日々ですよね。

 今回、紹介する映画は、夢を抱いて外の世界に飛び出した13歳の少女が、自分に大きな影響を与える大人たちと出会いながら、厳しい現実を知って成長していく物語です。


 アメリカ中西部・ネブラスカ州にある荒廃した農村地帯で暮らすルリ(クロエ・グレース・モレッツ)は、テレビで放送される映画を見るのと、絵を描くのが大好きな13歳の女の子。

 ある日、アルコールの問題を抱えた両親が立て続けに蒸発し、ルリは1人取り残されてしまいます。ルリは自分を愛し、助けてくれる人を求め、憧れの地ラスベガスに向かうことに。誕生日プレゼントにもらった拳銃(!)を携帯し、ヒッチハイクに挑戦します。


 ルリは、童顔で片足が不自由な青年エディ(エディ・レッドメイン)の車に乗せてもらいますが、話をするうちに口論になり、ルリは怖くなって、車から脱出。

 その後、どこか悲しげでセクシーな女性グレンダ(ブレイク・ライヴリー)と出会い、彼女の車で一緒に旅をすることになったルリ。ところが、グレンダはドラッグをやって、ルリにも勧めたり、ルリに盗みの片棒を担がせたりする、とんでもない女性でした。


 でも、ルリはグレンダに親しみを感じ、彼女の恋人の家まで連れて行ってもらいます。すると、そこにはなんとエディがおり、ルリは彼と和解します。グレンダと恋人に遠慮して、ルリはエディと買い物に出るのですが、エディが本性を現し、ルリはとても恐ろしい状況に巻き込まれていきます……。


 本作は、アメリカの女流作家アンドレア・ポーテスのベストセラー小説の映画化作品です。女性主導型の痛快なロードムービーかと思って見ていたら、ストーリーは思いもよらない方向へと転がっていき、予測できない衝撃的なクライマックスが待っていました!

 ヒロイン・ルリを演じているのは、当連載の「モールス」の回でも紹介した、ハリウッドで引っ張りだこの天才女優、クロエ・グレース・モレッツ。とにかくクロエのチャーミングな魅力満載で、複雑なヒロインを熱演する彼女に、またしても心を奪われました!

 ぶっ飛んでいる美女グレンダ役は、以前紹介した私のイチオシTVドラマ「ゴシップガール」のブレイク・ライヴリー。「ゴシップガール」ではセレブなお嬢様に扮しているブレイクは、ここ数年、映画では難しい役どころに挑戦してきており、確かな演技力を披露しています。

 ショッキングなのは、エディを演じたエディ・レッドメイン。「マリリン 7日間の恋」では、マリリンとはかない恋に落ちる、すごく純粋な好青年役だったのに、本作では一転して汚れ役!それもビックリの……って、これ以上は本編で見てください。

 ほかにも、「アラフォー女子のベイビー・プラン」のジュリエット・ルイスがルリの母親を演じていたり、「恋するベーカリー」のアレック・ボールドウィンが映画の後半に登場する重要な役に扮していたりと、豪華なキャストたちが、ルリが成長していく過程で関わっていくキャラクターを好演しています。

 タイトルの“Hick”は、田舎者や、うぶな人、カモと言った意味。真っ白な状態の少女が、出会う人や、直面する出来事に影響を受けながら、自分の道を模索し、大人になっていく姿を描いた本作。自分自身はどうだったかな、と振り返ってみるのもいいかもしれません。

「本作キャストが出演する当連載未紹介映画」DVD紹介

「マリリン 7日間の恋」


 世界中から愛された“世紀のスター”マリリン・モンローの秘められた恋の物語。1956年、ハリウッドの大スター、マリリン・モンロー(ミシェル・ウィリアムズ)は、ローレンス・オリヴィエ(ケネス・ブラナー)監督・主演の「王子と踊り子」の撮影のためにイギリスに降り立つ。だが、オリヴィエはマリリンの演技法を受け入れず、プレッシャーからマリリンは何時間も撮影に遅刻するようになる。頭を抱えるオリヴィエは、下っ端の第3助監督コリン・クラーク(エディ・レッドメイン)に、マリリンの見張り役を命じる。マリリンはコリンに心を開き、誠実な彼を信頼するようになる。やがて2人は秘密の小旅行に出かけ、親密になっていくが……。エディ・レッドメインは、本作の基となった、撮影の舞台裏をつづった2冊の回顧録を執筆したクラーク役を好演している。

2011年/イギリス・アメリカ/ミシェル・ウィリアムズ、エディ・レッドメイン、ケネス・ブラナー
発売元:カルチュア・パブリッシャーズ/販売元:角川書店/Blu-ray4935円、DVD3990円/発売中
「アラフォー女子のベイビー・プラン」


 ジェニファー・アニストン主演のハートフル・ラブコメディー。アラフォー独身女性のキャシー(ジェニファー)は、ニューヨークで仕事に没頭してきたが、ついに子どもを産むことを決意する。親友の男性ウォーリー(ジェイソン・ベイトマン)は大反対するが、キャシーの計画は進んでいく。そんな中、ウォーリーは彼女のパーティーでヤケになって酔っぱらい、ドナーの精子をうっかりこぼしてしまい、こっそり自分のものと交換。7年後、子どものために田舎へ戻っていたキャシ—がニューヨークへ戻ってくるが、“あの夜”の記憶が全くないウォーリーは、キャシーの息子が自分に似ていることに気づく。ジュリエット・ルイスはキャシーの友達デビー役だが、本作でも飛んでいるキャラクターを楽しく演じている。

2010年/アメリカ/ジェニファー・アニストン、ジェイソン・ベイトマン、ジュリエット・ルイス
発売元:アット エンタテインメント/販売元:アメイジングD.C./DVD4300円/発売中