[其ノ四 投信ファンダ編]コモディティ型投信は大きて分けて4つです
米国の記録的な大干ばつによる穀物価格急騰で注目を集めているコモディティ関連の金融商品。投信で運用しているコモディティ関連にはどんな特徴があるのでしょうか?


コモディティ型投信は価格変動は激しいがリスクヘッジとして機能◎

トウモロコシ、小麦、大豆といった穀物は、今や私たち日本人の食卓に欠かせない食材となりました。

こうした食材の大半を輸入に頼る現代の日本では、輸入元の異常気象や不作による価格高騰の影響が年々増してきています。食料価格の高騰が家計を圧迫することは決して好ましくありませんが、一方で恩恵を受けているのが、コモディティ(商品)の先物に投資する投資信託です。

コモディティ型投信の運用は従来、代表的なインデックスに連動する仕組み債に投資するなどの間接投資に限定されていました。

2008年12月の投資信託法改正により、国内投信の運用で商品先物への直接投資が可能になりましたが、現在もコモディティ型の大多数が何らかのインデックスをベンチマークや参考指数として掲げています。



さて、一口にコモディティと言っても、農産物、貴金属、原油……と、その内容は多岐にわたります。各商品の構成比はインデックスによって異なるため、投信の運用成績も参照するインデックスによってバラツキがあります。

国内外の機関投資家に広く利用されている「ダウジョーンズUBSコモディティ・インデックス」は、農産物とエネルギー(原油、灯油、天然ガス等)がそれぞれ全体の約3割を占め、インデックス自体のボラティリティ(価格の変動幅)が比較的小さいのが特徴です。

一方、「S&P GSCI」シリーズはボラティリティーが大きいエネルギーの組み入れ比率を高水準に保っており、インデックス自体のボラティリティーも高くなっています。また、組み入れ商品の種類が多い「ロジャーズ国際コモディティ指数」は、ヘッジファンド運用で世界に名を馳せたジム・ロジャーズ氏が開発し、同氏が世界中を旅して有望であると感じた投資先が組み入れられています。

前述の通り、最近は米国の記録的な干ばつによりトウモロコシ、小麦など農産物の価格が急騰しています。このため、6月以降は農産物の組み入れ比率が高い「ダウジョーンズUBS〜」をベンチマーク、または参考指数に掲げたファンドほど良好な成績を収めています。ファンド名から参照インデックスを推測することは難しいですが、目論見書や月次報告書には必ず明記されているので、購入前に目を通すようにしましょう。

なお、コモディティ型投信は実際の商品市況と同様、値動きが荒くなりやすいのが特徴です。株式や債券が伝統的資産と呼ばれるのに対し、商品はオルタナティブ(代替)資産と呼ばれています。

前述の天候不良等による需要増のほか、株式市場が不安定な動きを示すと、リスク分散の観点から、商品をはじめとするオルタナティブ資産に資金が集中する傾向にあります。急な上昇に踊らされて高値つかみをしないよう日ごろから大まかな動きを把握すると同時に、保有はあくまでポートフォリオの一部にとどめておくようにしましょう。



【今月の投信師匠】
篠田尚子(SHOKO SHINODA)
トムソン・ロイター・マーケッツ

慶応義塾大学法学部卒業。リッパー・ジャパンに所属するファンドアナリスト。情報量の多さと分析の鋭さは天下一品!


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この記事は「WEBネットマネー2012年11月号」に掲載されたものです。