「任侠ヘルパー」公開中
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17日から公開された草なぎ剛主演の映画『任侠ヘルパー』に熱い声が寄せられている。しかも、それはSMAPファンの女性だけでなく、むしろ男性からの声も非常に多いという。

本作は、最初に2009年7月からフジV系列にてドラマと放送され、“極道者がヘルパーとして老人介護をする”という奇抜なテーマが話題を呼び、平均視聴率は15%。夏クールドラマの中では3位となり、後に特番も組まれるほどの人気だった。

そんな『任侠ヘルパー』が、主人公の翼彦一を演じる草薙剛はそのままに、キャストの設定も一新。映画から見た人でも十分に楽しめる内容になっている。

ストーリー


指定暴力団「隼会」を抜け、堅気となった元極道者・翼彦一(草なぎ剛)はコンビニで働きながら細々と暮らしていた。ある日、金に困って強盗に入ってきた元極道の老人・蔦井雄三(堺正章)を見逃したことから刑務所送りになった彼は、獄中で蔦井と再会。元極道の彦一は、出所後、その老人のツテを頼って「極鵬会」組長・朝比奈道俊(宇崎竜童)を訪ね、再び“裏の仕事”に手を染め始める。その仕事は、老人相手の闇金とその闇金で破産した老人たちを「うみねこの家」という老人介護施設に入れ、生活保護や年金をせしめることだった。彦一は順調に何もわからない老人たちを、ボロボロの施設に送り込むが、次第にその生き方に疑問を持ち始める……。

テレビ版は、草なぎ剛演じる彦一が敵対するシマで、自らの素性を隠して老人介護をするヒューマンタッチのドラマだったが、劇場版は、昨年1月にスペシャルドラマとして放送した番組の続編。彦一が極道の道を歩みながら劣悪な老人施設を立て直すうちに、独自の“任侠道”を貫こうとする姿が描かれている。またキャスト陣も一新。安田成美、香川照之、風間俊介、夏帆、宇崎竜童、杉本哲太、それぞれが圧倒的な存在感を放ち、彼らとの人間関係の模様も見逃せない。

“悪い人”を演じた草なぎ剛


本作に登場する彦一は、決してヒーローとは言い切れない。口も悪く不器用で、すぐにキレたり、感情に流されることも多い。やる事も非道だったりする。しかし、弱い者には優しく義理人情に厚いがゆえ、自分の生き方と常に葛藤し、孤独になり、全てを背負いこもうとする。そんなアウトローな彦一を、これまでTVのバラエティでは親しみやすくお茶目な面を、映画では繊細でやわらかい表情を見せていた草薙剛が、その笑顔を一切封印。鋭い眼光や喧嘩のシーンでのキレのある動きなど、あまり見ることのなかった草薙剛の一面を味わうことができる。

弱きを助け強きをくじく……草なぎ剛演じる彦一の生き様


今回は、介護問題、老人ビジネス、地方都市の問題といった社会問題が背景にあり、そのリサーチに関しては「徹底的に行なった」と本作を手がけた西谷弘監督(『アマルフィ 女神の報酬』『容疑者Xの献身』)は語る。それだけに、これらの社会問題がエンターティメント作品には珍しくズシリと心に迫ってくる。そんな状況の中で、もがいてあがいて自分の生き様を貫いていく彦一の姿は、「まるで昭和の任侠映画を見ているようだ」と作品を見た男性客が賞賛するほど。そんなハードボイルドな生き方に40代以降の男性までもが惹きつけられているようだ。

現代ではなかなか出会うことのできない彦一のような男は、女性にとってもある意味新鮮で魅力的に映るかも知れない。

さいごに


ここでは、草なぎ剛さんの役柄や生き様などを中心に書いたが、個人的には、これから直面するかも知れない介護問題(親のこと、老いた時の自分のこと)についても深く考えさせられた。病院で安全にシステマティックに管理される老後と、多少安全性は欠けるかも知れないが、人としての存在が大いに認められ、自発的に動くことも許される場所、果たしてどちらがいいのか。それらにまつわる問題は多々ある。誰もが直面する可能性のある、老後や介護の問題について、一緒に観た相手とじっくり話し合ってみるのもいいかも知れない。
(mic)