ポモドーロ・テクニックで集中状態を生みだす

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今日中に終わらせたい仕事が複数あるとき、あなたならどのように仕事を片づけますか。

Aの仕事に必要な資料をプリントアウトしているあいだに、Bの仕事の関係者にメールを打ち、終わりしだいCの仕事に取りかかる。こうしたやり方はテキパキしていて効率的に見えますが、実際は非効率です。

本来、仕事はひとつひとつの仕事を順番に片づけるシングルタスクではなく、複数のタスクを同時進行するマルチタスクで処理することが理想です。しかし、マルチタスクで処理しようとしてタスクを細分化しすぎると、集中力が高まる前に別のタスクに移ることになり、かえってパフォーマンスが低下します。

どんな人も、作業開始直後から能力全開というわけにいきません。最初は散漫な状態から逃れられず、陶酔ホルモンであるβエンドルフィンが分泌されるにつれて徐々に集中状態へと入っていきます。

どのレベルから集中状態と呼ぶのか一概にいえませんが、私の感覚でいうと、まわりが気にならなくなるまでに5分前後は必要です。その状態が15〜20分続いて集中力が増すと、さらに一段上の陶酔状態に達します。ここがパフォーマンスのピークです。

20分を過ぎるとホルモンの効果が弱まり、徐々に陶酔状態から覚めていきます。たとえば電話が鳴るなどして、覚醒ホルモンであるアドレナリンが分泌されるイベントが起きると、集中力は一気に低下して、その後しばらく散漫な状態が続きます。これが一般的な集中力のパターンです。

タスクを細かくしすぎると、タスクを切り替えるたびに覚醒ホルモンの分泌が促され、いつまで経っても集中状態や陶酔状態に達することができません。これでは気が散る状態を意図的につくり出しているようなもので、能率が上がらないのも当然です。

■集中を生み出すポモドーロ・テクニック

タスクの最低単位は、集中状態を最大限に享受できる20分間に設定します。Aの仕事をするなら20分間はAの仕事に集中して、その間は、BやCの仕事にタッチしないことが大切です。

さらに集中力を高めたければ、25分間仕事、5分間休憩をワンセットにして仕事を処理していく「ポモドーロ・テクニック」を活用してもいいでしょう。ポモドーロは、イタリア語でトマトのこと。発案者がトマトの形をしたキッチンタイマーで25分間を計っていたことから、この名がつけられました。

25分は絶妙な時間設定です。私たちの集中力は15〜20分がピークですが、「あと5分持続すればいい」という状況をつくり出すことで、集中状態や陶酔状態をさらに加速させる効果があります。

ポモドーロ・テクニックには、「25分間は他のことを一切しない」というルールがあります。このルールも集中力アップに一役買っています。外部からの刺激をシャットアウトすることで覚醒ホルモンが分泌されるきっかけをなくし、集中力を持続させるのです。

(※『ビジネススキル・イノベーション』第6章 個人の能力を最大化する(プレジデント社刊)より)

(横田尚哉)