11月20日に発売された、DIME12/4号の「神保町総研」コーナーで、「住宅ローンの借り換えの新法則」という特集記事を担当した。住宅ローンの最新動向を踏まえ、「今、ローン借り換えの最大のチャンスが来ています!」という内容で、実際、昨年、新規に住宅ローンを借りた人であっても、すでに借り換えでメリットが出ることを検証した。詳しくは、ぜひ、書店・コンビニでご購入いただき、ご一読いただきたい。

 ただ、相当、濃い内容を6ページに凝縮したため、一部、説明が不足していると思われる部分があると感じている。そこで、それを補足する意味も込めて、今、住宅ローンの借り換えでどんなことに気をつければよいのか? いくつかのポイントを解説していきたい。

■なぜ「保証料」は必要なのか?

 まず、1回目は「保証料と融資事務手数料の見方」である。住宅ローンを組む時には、印紙税やら登録免許税といった税金関係に加え、様々な手数料が必要となる。その中でも、いちばん金額が大きいのが保証料と融資事務手数料だ。保証料とは、借りる人が保証会社に支払う費用のこと。では、なぜ、保証会社に支払う必要があるのか?

 住宅ローンを融資する金融機関が、保証会社による保証を付けることを、融資する際の条件とすることがあるからだ。万が一、借りた人がローンを支払うことができなくなった場合、金融機関は保証会社にローンを肩代わりしてもらうことになる。その万が一に、備えて、借りる人が保証会社に保証料を支払っておくというわけだ。ただし、保証会社は、ローンを借りる金融機関の関連会社であることがほとんど。実質的には「手数料」と言えなくもない。

 また、保証料はどの金融機関でも必要になるわけではない。「保証料無料」という金融機関も増えている。ネット系銀行はその代表といえるだろう。また、住宅金融支援機構と民間金融機関の提携している『フラット35』も保証料を無料としている。一方、保証料を徴収するのは銀行が多い。メガバンクは、ほぼこの保証料を徴収している。しかも、保証料は借入金額の0.2%というのが相場だ。3000万円を借り入れる場合の保証料は、60万円となる(金融機関によって保証料の算出方法は様々であることに注意)。

 この保証料を新規にローンを組む時または、ローン借り換え時に、キャッシュで払ってしまうことを「外枠方式」という。これに対し、保証料の金額を借入額に上乗せしたり、保証料相当分の金利をローン金利に上乗せすることができる。それを「内枠方式」という。当然、外枠方式のほうが、借入額が低くなったり、金利が低くなるので、総支払額は内枠方式に比べて少なくて済む。しかし、保証料は持ち出しの現金で負担しなければならない。これには、それぞれにメリットとデメリットがある。

■「融資事務手数料」とは?

 次に、融資事務手数料について説明していこう。融資事務手数料はその名のとおり、融資に関わる手数料である。しかし、金融機関によっては、単なる手数料と受け入れられないほど金額が大きくなるのだ。メガバンクをはじめとする銀行は、融資事務手数料を定額にしているところが多い。3万1500円が平均的な水準だ。一方、ネット銀行の中には、借入金額の0.2%とするところも結構ある。3000万円の借り入れで60万円となる計算だ。

 したがって、住宅ローンを貸し出す金融機関は、保証料と融資事務手数料について、どちらかを無料ないしは3万円程度とし、もう一方を「借入金額×0.2%」と設定していることになる。つまり、簡単にいってしまえば、名称は違えど、両方とも金融機関の手数料と言うことができるだろう。なかには、ソニー銀行のように、保証料無料で事務手数料4万2000円という住宅ローンもある。ただし、ローン金利が、メガバンクや他のネット銀行と比べて、やや高めに設定されている傾向にある。

 そこで、ポイントとなるのは、比較の方法だ。すなわち、保証料と融資事務手数料は、どっちが多い方がお得になるのか? という問題だ。その前提として、「借入金額×0.2%」の意味を把握しておきたい。保証料の内枠方式で、「借入金額×0.2%」相当分を金利に上乗せするケースが多いと述べたが、その際の上乗せされる金利は0.2%となる。

 現在、メガバンクの変動金利型ローンの最優遇金利は0.875%。保証料を内枠方式とすると、+0.2%となり1.075%になる。これは融資事務手数料にも当てはまり、融資事務手数料を内枠方式とすると、やはり金利は+0.2%となる。仮に、保証料無料で、融資事務手数料が3万1500円の変動金利ローンで1.025%というものがあったら、メガバンクの0.875%よりも実質的には有利なのだ。

 このように、住宅ローンを比較する時には、保証料と融資事務手数料がどうなっているのかをチェックして、その分の金利を上乗せすることが必要となる(※DIME本誌の特集記事のシミュレーションは、このことを前提として比較していただきたい)。保証料と融資事務手数料の比較に戻ろう。保証料と融資事務手数料の料率が同じで、ローン金利も同じ、他の諸費用も同じである場合はどちらを取るか?

■保証料は戻ってはくるが、残り期間の割合よりも少なくなる

  一般的に、将来、新たに借り換えをする時は、保証料は戻ってくる。当初の借り入れ期間20年に対する保証料が、借り入れ期間10年で借り換えることとなれば、残りの10年に対する保証料は不要となる、という考え方だ。しかし、戻ってくる保証料は、残り期間に対して比例することはない。20年分の保証料が残り10年となっても、半分戻ることはまずない。その割合は金融機関によって変わってくる。確かなことは、お金は戻っては来るけど、残り期間の割合よりも少なくなる、ということだ。

 これに対し、融資事務手数料はどうか。まさに、手数料であるだけに、途中で借り換えをしても1円も戻らない。したがって、借り換えを考えている人なら、保証料が高いローンを選んだほうが得になる、という一応の結論を出すことができるだろう。これ以外にも、繰り上げ返済のしやすさなど、その他の内容を比較検討することはいうまでもない。くれぐれも、ローン内容を理解して、借り換えに励んでほしい。

 (文/松岡賢治)

マネーライター、ファイナンシャルプランナー/シンクタンク、証券会社のリサーチ部門(債券)を経て、96年に独立。最新刊に『人生を楽しむマネー術』(共編著)。