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情報の見極めには「質」「量」「場」の3つの視点が必要。

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ITの発達は私たちの仕事のスタイルを大きく変えました。情報の整理もその1つです。スペースに物理的制限がなくなり、「気になる情報は、とにかくオンラインのストレージサービスに放り込め」と、情報を幅広く集める人が増えてきました。

ただ、アンテナに引っかかったモノをすべてストックするやり方は効率的ではありません。情報収集の手を広げれば、その中に必ずガーベージ(不要なデータ)が紛れ込みます。そのため溜めこんだ情報の中から欲しいモノをピックアップするときに、ふたたび「この情報は使えるかどうか」を精査する必要があります。

これでは、欲しい情報を選抜するのに一次試験と二次試験を受けさせるようなもので、極めて非効率。最初の段階でガーベージを取り除いて質の高いモノだけに絞り込めば、そのあとの管理は楽になります。

私の信頼するアメリカの友人は、情報整理に関して「トリプルAの情報だけをマネジメントすればいい」と話していました。最初の段階でトリプルAだけを集めるのか、それとも格付けが下のモノも含めて情報をかき集め、あとからトリプルAを選び直すのか。

最終的に選び出す情報は同じでも、管理の負担が少なく、いざというとき欲しい情報をすぐ活用できるのは前者です。

では、トリプルAの情報をどうやって選び出すのか。

■質、量、場のふるいにかけて残った情報がトリプルA

最良の情報を見極めるには、「質」、「量」、「場」の3つの視点が必要です。

情報の「質」を判断する基準は、「正確性」、「有効性」、「信憑性」です。

正確性が高い情報とは、バラツキの少ない情報です。市場のリサーチ情報を例に説明しましょう。たまたま偶然の結果ではなく、繰り返しリサーチしても、あるいは他の地域でリサーチしても結果が変わらない情報ほど、正確性が高いといえます。

情報の有効性は、正しいサンプルから導き出したものかどうかで決まります。たとえば女性向け商品のリサーチをするのに男性から意見を聞いても仕方がない。また女性相手でも、ヒアリングしたのは10人だけでは、リサーチの有効性に疑問が残ります。

信憑性は、情報に歪みがないかどうかで判断します。誰かの主観的な意見でなく、何らかの標準と比較したうえでの客観的な分析なのか。主観的な意見だとしても、複数の人からヒアリングしたものなのか。それによって情報の信憑性を判断していきます。

情報の「量」はどうか。判断に必要な情報量の目安となるのは6割です。しかし、機械的に6割集めればいいというものではありません。

情報は、「目的達成に必須の情報」、「目的達成に大いに貢献する情報」、「ないよりはあったほうがいい情報」の3つのレベルに分けることができます。6割で判断するといっても、下のレベルから6割では情報量が足りません。

逆に上のほうからなら5割や4割で決断することも可能です。情報を選ぶときは、それを意識しながら量をコントロールします。

最後の「場」は、情報の信憑性に関係します。情報は伝言ゲームのようなもので、発生から入手までの中継点が多いほど中身に歪みが生じます。情報を見極めるときは、場によるバイアスを差し引いて考える必要があります。

以上の「質」、「量」、「場」の3つでふるいにかけても残った情報が、トリプルAの情報といえます。ストックして管理するのは、トリプルAの情報だけでいい。その他の情報を抱え込む必要はないのです。

(※『ビジネススキル・イノベーション』第5章 組織のムダを改革する(プレジデント社刊)より)

(横田尚哉)