スマート家電の一例。スマートテレビを打ち出した「LG Smart TV」

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スマートフォンやインターネットとの連動機能を持つ「スマート家電」を、各社が相次いで投入している。家電業界復権の起爆剤に、との期待も高まる一方で、「連動させる意味はどこにあるの?」といった声もある。

試してみる前から「使えない」と切り捨てるのは簡単だが、中には私たちの暮らしを大きく変えてくれそうな製品も。家電メーカーが描く「未来図」とは。

未来の暮らしは「冷蔵庫」が主役?

「スマート家電」論争を盛り上げるきっかけとなったのが、2012年8月にパナソニックが大々的に発表した一連の製品だ。Android(アンドロイド)スマホとの連携で、たとえば洗濯機では洗剤や柔軟剤の分量をクラウド上のデータを元に設定できたり、冷蔵庫では節電に関するデータを確認できたりする。

ただ一部の機能には「あえてスマホを使う必然性が感じられない」などと疑問の声も。目玉と位置づけたエアコンの「外出先からの遠隔操作」機能が、経済産業省からの「物言い」で実装できなかったのも痛い誤算だった。一方、データが活用できる健康関連製品などは一定の評価を得た。

パナソニックとは異なる方向性で「スマート家電」の方向性を示したのは東芝だ。2012年10月の国際展示会「CEATEC JAPAN 2012」では、冷蔵庫を中心に家電を連携させるというプランを紹介した。

冷蔵庫にセンサー・画面付きの情報端末を搭載し、顔色や脈拍などから利用者の健康状態を把握する、家電の使用状況などから利用者の生活パターンを学習してエアコン・テレビなどを自動運転する、家電全体で電力使用量を最適化する、などの機能を搭載予定で、2013年度からの販売開始を目指す。

このほかシャープも、スマホと連携させたお掃除ロボ「COCOROBO」を通じてエアコンや照明などの電源をオン・オフできる新機能を、CEATECで発表している。いずれも現時点ではまだ試行錯誤中との感もあるが、かつてSFなどで描かれた「21世紀の未来生活」に、現実が着実に近づいてきていることを実感させてくれる。

コンテンツ充実の「スマートテレビ」も

国産メーカーだけではない。たとえばLGは2012年6月、「スマートテレビ」というコンセプトを打ち出した「LG Smart TV」を発売している。連携性を重視した上記のスマート家電とは違い、ネット接続によりスマホなどのように充実したコンテンツを楽しめるというのが「スマートテレビ」たる所以だ。

「Hulu」などのビデオ・オン・デマンド(VOD)サービスを利用し、家にいながらにしてレンタルビデオ感覚で映画などを見たり、インターネット上の動画を大画面で閲覧したりといった利用法に加え、アプリやソーシャルメディアの利用、また最近注目の電子書籍の読書も可能となっている。LG独自のサービスも含め、利用できるコンテンツの多さは折り紙つきだ。リモコンも、ボタンの数を最小限に抑えた「マジックリモコン」を採用し、「スマート」な操作を実現した。

各社の新製品発売・発表で、2012年は「スマート家電元年」となった。今後、どんな「未来」を感じさせてくれるアイテムが登場するのか。メーカーの取り組みが注目される。