銀行トリビア (19) 「銀行」はなぜ「金行」ではない?

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オリンピックでは、1位が金メダル、2位が銀メダル。

金のほうが上なのに、「銀行」はなぜ「金行」ではないのでしょうか。

「銀行」という言葉は、明治5(1872)年に制定された「国立銀行条例」で初めて登場しました。

この条例は米国のナショナル・バンク制度にならったもので、「銀行」は「バンク」を訳したものです。

ちなみに、バンク(bank)は、中世イタリアで両替や為替を扱う商人バンカス(bancus)がお金を数えるために使った机(banco)が語源といわれています。

江戸時代にも、両替商が今の銀行と同じような仕事をしていたし、明治になって海外との貿易が始まると「為替会社」が作られるようになりました。

でも、「バンク」は「両替商」や「為替会社」とは必ずしも同じではないので、別の言葉にしなければなりません。

それで「銀行」になったわけですが、それまでには曲折があったらしく、なぜ「銀行」なのかについてもいくつかの説があります。

よく知られているのは、中国語で「行」が「店」「市場」を意味することから、金銀を扱うところという意味で「銀行」としたという説。

「金行」でなく「銀行」にしたのは、銀行のほうが語呂がよいから、だとか。

「銀行」という言葉はもともと中国で使われていたという説もあります。

「金行」でないのは、その当時、銀貨のほうが多く流通していたからだそうです。

金・銀でいえば、東京の銀座は日本を代表するおしゃれでにぎやかな街。

それにあやかって全国に「○○銀座」が作られています。

銀座というのは銀貨の鋳造所のことで、江戸時代、そこに銀座があったことからついた地名です。

もちろん、金貨を鋳造する金座もありました。

江戸の金座の長を代々務めた後藤家の屋敷があったのが今の日本橋本石町。

金座という地名は残っていませんが、現在そこには日本銀行の本店が建っています。

銀行のトップのことを「頭取」といいます。

「頭取」は、雅楽の演奏をするとき、全体をリードする首席奏者を指す「音頭取り」から来ているそうです。

歴史のある言葉なんですね。

ただ、ネット銀行のトップは「社長」ですし、一般の銀行でもトップを「社長」あるいは「CEO」とするところもあります。

「通帳」というのも古い言葉です。

昔の商売は、売り買いのたびに代金をやりとりするのではなく、年に2回まとめて払う掛け売り・掛け買い方式でした。

いわゆるツケ払いです。

そのため、いつ、何を、いくらで買ったかを控えておく必要がありました。

そのための帳面が「通(かよ)い帳」、つまり「通帳」です。

明治になって銀行ができてからもこの言葉がずっと使われているわけですが、これも、最近はネット銀行の登場で、銀行には通帳がつきもの、というわけではなくなってきています。