消費税アップに抵抗する裏ワザ!「個人間取引」で買い手も売り手も消費税ナシ!?
ネットオークションやフリーマーケットなどの個人間取引なら、消費税はかからない!売り手は消費税分だけ安サービスを提供できるし、買い手も割安価格でおトクに買えれば、家計の節約にもつながる。消費税率10%を逆手に取れ!



消費税10%は、個人間なら関係ナシ。カギは「お友達価格」

消費税アップで、家計への打撃は避けられそうにない。ならば、消費税の支払いを少しでも軽くしよう。たとえば、ネットオークションやフリーマーケットを活用した「個人間取引」なら消費税はゼロ。

大和総研の是枝俊悟さんは「消費増税は個人が?プロ〞の事業者より優位に立てるチャンスです」と教えてくれた。

たとえば、5000円の中古DVDを買う場合、税率5%なら250円、10%なら500円の税金がかかる。ところがネットオークションで個人から買えば、消費税はかからないケースが多い。また、子供の家庭教師に3万円の月謝を払うとき、学習塾や家庭教師派遣業者を通せば消費税が必要になる。しかし、個人のレッスンなら消費税分を差し引くことも可能。税率10%なら、その差は3000円!1年間では3万6000円だ。

個人間取引により、買い手は消費税分おトクになり、売り手は消費税分安い価格でサービスを提供できるわけだ。

ただ、売り手に関して言えば、この取引ではあくまで?事業者ではない〞ことがポイントになる。たとえば、オークションでも、個人レッスンでも、それを事業としている場合は少なくないだろう。

確かに税制的には、原則的に個人なら前々年、法人なら前々年度の売上高が1000万円以下なら免税事業者となり、消費税を納める必要はなくなる。

だが一般的には、法人、個人に関わらず、年間の売上高が1000万円を超えていなくても、消費税を乗せて販売るケースが多いはずだ。客もいちいち売り手が免税事業者かどうかを調べることはない。

この場合、客から預かった消費税は納めなくてもいいので、その分は?益税〞になる。

しかし、この益税は国にとっては当然マイナスだから、制度の公平性を踏まえて、将来的には何らかの改正が行なわれる可能性もある。

つまり、「売上高1000万円以下で免税事業者だから、消費税分有利に商売ができる」と考えるのは要注意。あくまで「事業者ではない、個人間取引だから無税になる」という理解がいいだろう。

その上で、売り手の側から見れば、消費税アップは「スモールビジネスを始めるチャンス」(是枝さん)なのだ。

個人がオークションなどでモノを売る場合、家具や電気製品など比較的高価なものでも消費税を取る必要がないので、事業者に比べて安い値段を提示できる。

個人がベビーシッター、ピアノのレッスンなどのサービスを提供する場合も、税率10%が商売の強い味方になりそうだ。業者なら税込みで月1万円のところを、個人が消費税なしで9000円で提供できれば、かなり割安感がある。

「趣味や技能など、得意なことを持つ人が近所の友人・知人に『お友達価格』でサービスを提供する取引が成り立ちやすくなります」(是枝さん)。日頃の人間関係が家計を助けるかもしれない。

増税後は可処分所得の減った消費者が節約志向を強め、低価格が今まで以上に大きな味方になる。買い手は消費税のかからないモノやサービスを購入し、売り手は消費税ゼロの利点を活用して収入を得る。増税後は、そんな?売り買い上手〞が増えそうだ。

是枝 俊悟(これえだ しゅんご)
大和総研金融調査部 制度調査課研究員

2008年、早稲田大学政経学部卒業後、大和総研入社。税制を中心に財政・金融の制度改革の影響を研究している。年金二重課税や復興増税などの論文も多数あり。社会保険労務士でもある。



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この記事は「WEBネットマネー2012年12月号」に掲載されたものです。