緊張体質で損をしていませんか? 話し方講師に聞くあがり症克服のポイント




仕事ではミーティングや取引先へのプレゼン、プライベートでは結婚披露宴のスピーチなど、大人になると人前で話す機会が多くなります。そういったことに、苦手意識を持っている人も多いのでは? 人前に立つとあがってしまう、言葉がうまく出てこない……。そんな状況に陥って、後から落ち込むなんてケースもあると思います。そこで今回は、中央話し方教室の代表講師である、栗原君枝先生に、人前で話す際のワンポイントアドバイスをおうかがいしました。



■あがり症の大きな原因は、人との会話に慣れていないこと



「人前に出て話をするとあがってしまうという人は、その状況に慣れていないのです。ですから、人前で話すことに慣れるということが、あがり症克服の一番のポイントでしょう。複数の人がいる中で、自分の意思を伝える。その訓練があがり症克服につながります。



ただ、話すだけではいけません。同時に、人の話も聞くことが大切なのです。全員が話し手であり、聞き手。そういった状況に慣れるトレーニングが大切です。



もし一週間後にプレゼンを控えていて、あがり症を少しでも克服しておきたいと思ったら、その日までにできるだけ慣れておくのです。人の輪に入って、人の話を聞き、そして発言する。日常生活でもトレーニングはできます」



■会場に入ったら、大またでさっそうと歩くこと



「あがり症に悩む人の多くは、言葉を発するときにどうしても口が大きく開きません。口を大きく開いて、大きな声が出れば緊張は和らぎます。



そして、これは口だけに限ったことではないのです。例えば、自分の席を立って話をする場所へ行く際に、大またで素早く歩くという方法も効果的です。そうすることで、呼吸が整ってくるため、あがりにくくなります。小さな動作で移動すると、呼吸も小さく、浅くなってしまい、緊張感が高まってしまうのです」



■聞き手をしっかり見ること



「よく、聞き手をジャガイモだと思えとか言いますが、それは気休めに過ぎません。きちんと聞き手を見て、聞き手を意識して話すことが大切です。



しっかり聞き手を見れば、その中には自分の話を熱心に聞いてくれている人がいるでしょう。そういった聞き手の存在は、安心感につながります」



■良い格好をしようとするから、あがってしまう



「自分を良く見せたいという気持ちが強いと、それだけあがってしまいます。あがって声が震える、汗が出てくる。それを隠そうとしても、実際にそうなっているのだから隠せませんよね。



そんなときは、『緊張して声が震えています』、『緊張で汗が』と、自分から聞き手に宣言してしまっても良いでしょう。一度言ってしまえば、格好つける必要もなくなってしまいます」



■頭を下げたら、一旦停止して一呼吸



「人前で話をする際、話のスタートは非常に重要です。多くの場合、最初に名乗ってあいさつをすると思いますが、このときのお辞儀をひと工夫してみましょう。



私は受講生の皆様に、お辞儀は30度が良いと指導しています。30度の角度でお辞儀をしたら、頭を下げたまま一旦停止します。そこで呼吸を整え、さっと頭を上げましょう。気持ちが落ち着きますし、聞き手にもきれいで丁寧なお辞儀に見えます。



そして、このお辞儀の際に、気持ちが伴っているともっと良いですね。『話をさせていただきます』という謙虚な気持ちがあれば、少なくとも『あれも言わなきゃ、これも言わなきゃ』というパニックには陥りません。謙虚な姿勢が、あがり症克服の大切なポイントです」



人前で話すときには、自分をよく見せよう、言いたいことを全部スムーズに言わなきゃと思ってしまいますよね。その気持ちが、あがり症の原因となっているようです。



「話をさせていただきます」の境地に至るには、やはりトレーニングが必要かもしれませんが、心がけることはすぐに始められます。人前で話すのが苦手だという人は、ぜひ試してみてください。



(OFFICE-SANGA 森川ほしの)