悲しみの母の死から1年、浅田真央(22)が世界フィギュアの中国杯で復活のV。見逃せないのが「裏コーチ」として見え隠れするロンドン五輪男子体操個人総合優勝の内村航平(23)の存在。エロ事師・モロゾフコーチとの関係解消で引退危機の安藤美姫(24)とラブラブ面でも主役交代だ。

 女王が眠りを覚ますにはこれ以上ない舞台となったフィギュアスケートGPシリーズ第3戦の中国杯。会場は尖閣諸島の領土問題で揺れる上海。しかも、間が悪いことに大会名がトヨタ自動車の高級車ブランドを冠して『レクサス・カップ・オブ・チャイナ』。
 中国杯直後の11月8日からは5年に1度の中国共産党大会が始まる。不測の事態に備え、日本スケート連盟は各選手に格闘技経験者のボディーガードを日本から連れて行くという念の入れようだった。
 「トヨタは直前になって大会名からレクサスを消してもらうなど、存在を隠すのに躍起でした。日本車が不買の標的になっていたからです。トヨタは昨年80万台を現地で生産したほか、日本からの輸出分も合わせれば約88万台を中国で販売している。それが10月の現地生産はゼロ、日本から完成車を持ち込むレクサスの輸出もストップです。中国杯にエントリーしていた安藤美姫が来季限りで引退を表明し、今大会をドタキャンしたのは、モロゾフコーチとの関係解消ショックもありますが、トヨタ自動車の所属選手だったことも見逃せません」(全国紙経済部記者)

 安藤の分まで注目を集めた浅田には中国人記者から尖閣諸島に関する質問が浴びせられたが、「上海に来る前はちょっぴり心配だったけど、中国のみなさんも応援してくれたので凄くうれしかった」と真央スマイルで応え、日中友好、トヨタ自動車のイメージ回復に一役買った。懸念されたトラブルもなかった。
 「今大会に復活をかける真央ちゃんには熱い思いがあった。いつも練習している中京大のアイスアリーナは愛知県豊田市にあり、名古屋市の自宅からトヨタの『iQ』を自ら運転して通ってもいる。卒業後は安藤のようにトヨタ自動車に進む選択肢があり、いい滑りを見せて、少しでも中国の人たちに喜んでもらおうと今大会に照準を合わせていたのです」(名古屋の地元テレビ局関係者)
 結果は得意のトリプルアクセルを封印しながらも、ロシアの新鋭ユリア・リプニツカヤ(14)と競り合って逆転優勝。世界中に「真央復活」を印象付けた。

 昨年12月に母・匡子さん(享年48)が死去。二人三脚で歩んできた最愛の人を失い、「頭の中がぐちゃぐちゃだった」と当時を振り返る浅田は、練習不足も重なり激太りしたという。48キロのベスト体重が50キロ台半ばに…。そこから無理なダイエットに挑み、4月の世界選手権に出場したものの、本番では得意のトリプルアクセルを使えず、2年連続の6位。一時は現役引退も考えたという。

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