日立金属(5486)の日足チャート。緑が5日、赤が25日、青が75日の移動平均線(出所:株マップ)

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 このたび日立金属(5486)と日立電線(5812)が2013年4月1日付けで経営統合すると発表があった。両社は名前を見てもわかるとおり日立製作所のグループに属しており、日立製作所(6501)は日立電線に52.8%、日立電線に51.41%を出資している。

 売上で見ると、日立金属が5500億円強、日立電線が4300億円強と規模に違いはないように見えるが、時価総額で見ると日立金属が約2100億円、日立電線が400億円強と5倍もの違いがある。

 同じ日立子会社同士の「合併」となっているが、株式市場での評価から実態としては日立金属による日立電線の買収となりそうだ。

合併比率の算定はこれからだが

 合併比率の算定が火種になりそうな雰囲気である。というのは、合併比率の算定を行う際は、両社の過去の株価の平均が1つの基準となるが、多くは直近1か月、3か月、そして半年の期間の平均を見る。この両社、直近半年間のスパンで見ると株価チャートはきれいな右肩下がりの形状をしている。

 実質的には日立金属による日立電線の買収だと考えれば、日立電線の株価に対して何らかのプレミアムを乗せる形で合併比率を算出することになる。そこで、本件発表前の日立電線の過去1か月、3か月、6か月の平均株価、およびそれらに20%のプレミアムを乗せた数字を見ると以下のとおりとなる。

 発表当日の日立電線の株価は前日比18.9%上昇の127円まで上昇したが、これはそのような買収プレミアムを見越した株式市場がすぐに反応した結果であろう。過去3か月間の平均株価であればあまり問題なさそうであるが、過去6か月間まで見てしまうと話がややこしくなる。

 例えば半年前の5月14日の株価は180円であり、この日に日立電線株を購入した株主にしてみると、発表前日の株価である107円は41%もの大幅ダウンである。こんな低い株価をもとに合併比率が算定されては困るというのが本音だろう。

 つまり、過去3か月以内に株式を購入した投資家であれば、20%程度のプレミアムで株式を売却してくれる可能性は高いが、それ以前に購入した株主にしてみると今回の案件は「ありえん!」ということになってしまう。

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