ドル大バラ撒き時代の株とFXの新戦略(後編)
ECB(欧州中央銀行)に続いて、FRB(米連邦準備制度理事会)もQE3(量的緩和第3弾)に踏み切りました。そして、日銀もそれに追随しています。今、マーケットで何が起こっているのか? 世界的金融緩和時代の投資戦略をクエスチョンで解説していきます。


Q5 米国の超低金利政策が2015年半ばまでに延長されました。これはどういうことを意味するのでしょうか?
回答者 ▶ 藤井英敏さん

この時間軸の延長が意味することは、FRBが2015年半ばまで、超低金利や量的緩和など金融政策で支えない限り、米国経済は回復軌道に乗らないということです。言い換えれば、2015年半ばまでは米国経済はデフレ圧力がインフレ圧力よりも強い状態が続き、また、超低金利を背景にしたドル安による輸出で稼がないと経済がもたないということです。

このため、超低金利の出口の時期がいよいよ迫るというタイミングまでは、円高・ドル安が続くということになります。それまでは日本株に関しては、輸出関連を避けて、内需株を中心に物色すべきです。ただし、円高でも超低金利により米国経済は堅調さを維持する見通しのため、わが国輸出企業の収益は底堅く推移しそうです。輸出株は上がりづらいけど、下がりづらいと考えることもできます。

Q6 日経平均が1万円台を回復するためには、どうような条件が必要でしょうか?
回答者 ▶ 河合達憲さん

日経平均株価が1万円台を割り込み、すでに6カ月以上が経過しています。この水準に再び戻るためには、まずは為替レートが1ドル=84円台に戻ることが必要です。想定為替レートの円高修正や、為替と株価のメモリー機能(学習効果など)を踏まえても、最低でも82円程度にならなければ、日経平均の1万円台奪回は見えてこないと言っていいでしょう。

今年の日経平均の年初来高値(3月27日)が1万255円ということを考えると、1万円台奪回という水準は、その高値を射程圏に捉えた水準です。

株価が上昇し、高値を形成する過程で1万円台乗せを示現したのが3月14日でした。同日のドル/円レートは1ドル=84円18銭で、これが円の年初来安値となっています。

つまり、日経平均の1万円と為替の1ドル=84円は水準論ではマッチしているわけです。そういった意味でも、今後の為替水準をウオッチしておく必要があります。

Q7 世界的にマネーがジャブジャブになると、過剰流動性相場になるといわれます。どのセクターの株が上がることになりますか?
回答者 ▶ 藤井英敏さん

確かにドルが世界中にバラ撒かれ、過剰流動性は世界各地で発生します。

しかし日本に関しては、少子高齢化に伴う恒常的需要不足、公的年金等の将来不安、円高・ドル安、将来の消費税増税など、デフレ圧力がめじろ押しです。また、長引くデフレ不況で、民間の資金需要はまったく伸びません。

このため、米国やドルペッグの国々には過剰流動性相場が発生するでしょうが、変動相場制を採用している「円」を使う日本では期待薄です。しかしながら、ドル建ての商品(金、原油、穀物、非鉄金属など)は過剰流動性の影響がモロに出てくる見通しです。

このため世界的な過剰流動性相場では、コモディティに連動するETF(上場投資信託)が狙い目です。次に狙えるのは、資源価格上昇でメリットが大きい商社株ですね。また、ドル建ての原油価格が想定以上に上昇すれば、代替エネルギー(再生可能エネルギー)関連や、LNG関連の株も魅力が増すことでしょう。

Q8 米国雇用統計の発表日に欠かさずFXのトレードをしています。QE3の効果が雇用にあらわれるのはいつごろですか?
回答者 ▶河合達憲さん

時間軸効果は、昨年のQE2が参考になるでしょう。QE2が発表されたのが9月21日のFOMC。11〜12月から、各連銀の景況感指数などのマインド指標が徐々に改善され、ハード指標と呼ばれる雇用統計では12月から1月にかけて非農業者部門雇用者数が月20万人超えの増加を示し、マーケット急騰の裏づけとなりました。