極めて厳しい状況にある日本経済、2012〜14年度経済見通し--伊藤忠

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伊藤忠経済研究所はこのほど、「2012〜14年度経済見通し」を発表した。

同社は、日本経済の成長率予想について、2012年度、2013年度ともに大幅な下方修正を行ったほか、2014年度についてはマイナス成長となると予測した。

同社は、内閣府が12日に発表した2012年7〜9月期の四半期別GDP一次速報などを踏まえ、成長率見通しを修正。

成長率予想については、2012年度が1.7%増から0.9%増、2013年度が2.2%増から1.6%増に下方修正を行った。

また、今回初めて発表した2014年度については、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動から、0.8%減のマイナス成長となると予想している。

同社は9月時点で、7〜9月期の日本経済は「輸出が緩やかに回復するものの、大震災後のペントアップ・ディマンド剥落とエコカー補助金の効果縮小により、ゼロ成長程度まで減速」し、10〜12月期は「エコカー補助金の効果剥落による個人消費の減少と復興投資の一巡が、輸出持ち直しによる押し上げを上回り、マイナス成長に転落」と見込んでいた。

しかし、海外経済減速の長期化と日中関係の悪化により、7〜9月期の輸出は深刻な落ち込みとなったほか、エコカー補助金の効果もあまり見られなくなった。

これらの結果、7〜9月期は実質GDPが前期比年率3.5%減の大幅なマイナス成長に転落。

さらに、「10〜12月期も輸出と個人消費の低迷でマイナス成長が避けられない」と同社は予測している。

ただし「エコカー補助金終了の悪影響が2四半期に分散する形になったことから、10〜12月期のマイナス成長幅(同社予想前期比0.1%減)は限定的なものにとどまる見込み」としている。

消費者物価上昇率(除く生鮮食品)については、2012年度の前年比0.1%減から、2013年度は0.4%増、2014年度は2.2%増と大幅な上昇を予想。

ただし、「2013年度の上昇は、電力価格や食品価格の上昇、駆け込み需要の影響によるところが大きく、基調的なインフレ率の高まりとは言い難い」(同社)。

また、2014年度は消費税率引き上げの影響が2.2%含まれるため、「実質的にゼロインフレ」とのこと。

このため、同社は「2014年度時点でもデフレ脱却とは言い難く、日本経済のデフレ脱却が実現するのは2015年度以降になる」と予測している。

金融政策に関しては、「早ければ12月の決定会合で、遅くとも来年1月の決定会合で示す中間評価において、日銀は見通しの下方修正を迫られる見込み(12月であれば定性的な下方修正)」とした上で、「9月・10月に続き、12月もしくは来年1月に追加の金融緩和が実施される可能性が高い」としている。