チムニーの主力ブランド店「海鮮居酒屋 はなの舞」。活きのいい鮮魚と お酒が手ごろな値段で楽しめる。「まぐろの解体ショー」などの催しも。 全国に357店舗。撮影/ワタナベくん

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居酒屋大手のチムニー(3178)が東証2部に上場することになりました。この会社は2010年4月にいったん上場廃止になっていて、約2年半ぶりに株式市場に戻ってくることになります。

株主がいると大胆に改革できないから
MBOで上場廃止にしたのでは?

企業が上場廃止になる理由は色々ありますが、チムニーの場合は「MBO」でした。MBOとは「マネジメント・バイ・アウト」の略で、「経営陣による買収」と訳されます。

 株式会社の所有権は株主にあって「株式公開」は色々な人に株を持ってもらうことで“社会的な企業になる”という意味合いがあります。「MBO」とはその逆で、色々な人に持ってもらっていた株を買い取って、経営陣の企業になることです。

 MBOをする理由は色々ありますが、よくあるのは「経営改革を大胆かつスピーディーに行うため」とかいうやつです。公開企業だと重要な決断をする時には株主総会を開いて決をとるなど、株主のお伺いを立てなければなりません。

 が、そんなことをしていては時間ばっかりかかるし、反対が出たりしては思ったような改革ができないので、物事をテキパキ決めるために「株を全部買い戻させていただきます」ということです。

 チムニーの場合、もともとは1984年にイオン(8267)の子会社としてスタートし、1997年には食肉加工大手の米久(2290)に譲渡され、さらにその親会社がキリンホールディングス(2503)であったりしたため、仕入れなどに制約があったというのが会社側の言い分です。

 そこで、和泉社長がファンドのカーライル・グループと組んでMBOをかけて、発行済みの株をすべて買い取ったというわけです※1。発行済み株式の47.03%を保有していた大株主の米久が応じたことで、このMBOはあっさり決まりました。

※1)現経営陣とカーライルがエフ・ディーという会社を設立し、この会社がTOB(株式公開買い付け)を行って筆頭株主になりチムニーを完全子会社化。上場廃止とした上で、エフ・ディーが商号変更して「チムニー」になるという形でした。

 市場に出回っていたチムニーの株は1株2260円で買い取られることになりました。この買取価格は、当時の直近株価1563円に比べて45%増、直近6カ月間の平均株価に比べると37%増のプレミアムが上乗せされた価格でした。

優待をもらいつつ長期保有していた
個人投資家は強制終了させられた

 とはいえ、チムニーが上場していた間に、最高値だった時には株価は4000円を超えたこともあります(06年)。そこで高値を掴んでしまい「いつか株価が戻ってくれる。応援する気持ちで株主でいよう」と信じて長期保有していた株主にとっては“強制終了”させられてしまったことになります。

 チムニーは割安株として雑誌にたびたび取り上げられていましたし、株主優待も魅力的(100株保有で半年毎に5000円のお食事券など)でしたので、なおさら長期保有で含み損に耐えていた株主が多かったと思います。

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