かんぽ生命、保険金100億円の支払い漏れの可能性--民営化後5年間に10万件

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かんぽ生命保険は13日、顧客への請求の案内を充実させる過程において、過去に請求した顧客と、現在請求している顧客への案内の水準に差が生じていることから、より丁寧に請求案内すべき事案などについて、過去の請求分を検証し、顧客に案内する取組みを行うこととすると発表した。

予想される追加支払は、顧客の意向や今後の検証作業によるが、約10万件程度(検証対象の0.6%程度)、約100億円程度と想定されるとしている。

かんぽ生命では、保険金など支払管理態勢の整備を経営の最重要課題と認識し、事後検証システムの導入や点検活動など、保険金などを正確かつ迅速に支払うための各種の取組みを行ってきたという。

顧客への請求の案内については、簡易な書類(※)をもとに請求した顧客に対しても、2012年7月以降、提出された死亡診断書や病院の領収書などを検証し、顧客の申告以外に入院保険金や手術保険金を支払いできる可能性がある場合には、かんぽ生命から案内を行うなどの取組みを行っている。

また、高度な医学的判断を要する事案についても検証しているという。

かんぽ生命では、このように顧客への請求の案内を充実させる過程において、過去に請求した顧客と、現在請求している顧客への案内の水準に差が生じていることから、より丁寧に請求案内すべき事案などについて、過去の請求分を検証し、顧客に案内する取組みを行うこととする。

(1)民営化(平成19年10月)以降5年間に請求された事案(約1,700万件)を検証する。

(2)予想される追加支払は、顧客の意向や今後の検証作業によるが、約10万件程度(検証対象の0.6%程度)、約100億円程度と想定される。

主な事案の概要は、以下のとおり。

死亡診断書について、死亡前の入院の可能性を窺える記載があるもの : 死亡保険金の請求に対して、死亡場所が病院または診療所で、かつ、発病・受傷から死亡までの期間が1日以上31日以下の場合に入院保険金の請求案内を行ってきたが、発病・受傷から死亡までの期間にかかわらず、入院保険金の請求案内を行う入院事情書について、手術を受けている可能性を窺える記載があるもの : 入院保険金の請求に対して、一定金額以下の場合に顧客の入院証明書の取得負担を軽減するため、顧客自身が記入する入院事情書による取扱いを行っているが、添付された医療機関発行の領収書に手術に関する診療報酬点数の記載がある場合には、手術保険金の請求案内を行う。

なお、手術保険金については、入院事情書による取扱いを行っていないことから、入院証明書が必要となる 入院証明書について、重度障害・身体障害の可能性を窺える記載があるもの : 入院保険金の請求に対して、入院証明書の記載内容だけでは支払事由に該当しないものの、入院証明書に重度障害の可能性を窺える記載(「全介助」など)がある場合に重度障害による死亡保険金の請求案内を、身体障害の可能性を窺える記載(「聴力障害」など)がある場合に傷害保険金の請求案内を行う障害診断書について、身体障害の症状が固定していない記載があるもの : 傷害保険金の請求に対して、障害診断書に身体障害の症状が固定していない記載があるものについては傷害保険金の支払いを行っていないが、その後症状が固定した場合には支払いできる可能性があることについて請求案内を行う軽微な疾患の発病時期や疾病相互間の因果関係の認定に高度な医学的判断を要するもの : 軽微な疾患の発病時期や疾病相互間の因果関係が診断書などからでは明らかでない場合、確認調査を行ってきたが、一部の事案(「高血圧症と脳血管疾患との因果関係」など)についてさらなる確認調査を行うかんぽ生命では今後、検証作業が済んだものから順次、顧客への案内を行うこととしており、2012年12月から案内を送付し、2012年度内を目途に可能な限り迅速に実施する予定としている。