消費増税に備える! 柳澤美由紀の”生活防衛術” (15) ”リストラされた!” その後の家計負担を減らす「支出軽減テクニック」(後編)

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会社をやめるとき、「どれを選べばいいかわからない」との声が多い退職後の公的医療保険(健康保険など)。

家族の扶養になれない場合、今まで加入していた健康保険の任意継続被保険者制度を利用すべきか、役所で国民健康保険の手続きをしたほうがいいか、判断に迷います。

その選択をする際の注意点と、失業などによる住居費負担を軽減する制度について紹介します。

退職すると、会社の健康保険の被保険者資格を失います。

配偶者などが働いていれば、その扶養になることを真っ先に検討すべきですが(詳しくは第14回コラムをご覧ください)、それができない場合は、(1)任意継続被保険者制度、(2)国民健康保険、のいずれかを選択することになります。

「会社のせいでやめることになったのだから、会社の保険に残りたくない!」と、安直に考えないでください。

わずかな手間で、毎月の負担が大きく変わる可能性があります。

まずは、次の(A)(B)を調べましょう。

(A)任意継続被保険者制度を利用した場合の保険料(会社に聞けば教えてくれます)(B)国民健康保険の保険料(お住まいの役所の国民健康保険課に聞いてみましょう)国民健康保険料の試算は本人確認がとれれば計算してくれる自治体が増えましたが、ダメなケースもあります。

そのときは面倒かもしれませんが、国民健康保険料の計算式を入手して自力で計算しましょう。

計算式は市区町村役所のホームページに掲載されています。

東京都葛飾区在住のAさん(40歳、協会けんぽ加入、退職した年の標準報酬月額30万円、退職前年の年収450万円、妻38歳専業主婦、子8歳)のケースで計算してみましょう。

葛飾区の国民健康保険料は、医療分保険料と支援金分保険料(後期高齢者支援金等賦課額)および介護分保険料(40歳以上65歳未満の方のみ)の合算額になります。

医療分保険料所得割額(加入者全員の旧ただし書き所得×6.28%)+均等割額(30,000円×加入者数)=年間医療分保険料(賦課限度額は51万円)支援金分保険料所得割額(加入者全員の旧ただし書き所得×2.23%)+均等割額(10,200円×加入者数)=年間支援金分保険料(賦課限度額は14万円)介護分保険料所得割額(第2号被保険者全員の旧ただし書き所得×1.60%)+均等割額(14,100円×該当者数)=年間介護分保険料(賦課限度額は12万円)国民健康保険の保険料の計算のもとになる所得(旧ただし書き所得)は前年の所得をもとにしたものです。

前年の年収から給与所得控除などの経費を差し引いた「総所得金額」から基礎控除33万円を差し引いて算出します。

Aさんの場合は273万円になり、それをもとに計算した国保保険料は図表の通りです。

一方、任意継続被保険者制度の保険料は「退職時の標準報酬月額」または「加入している公的医療保険グループ(協会けんぽ又は各健康保険組合)の標準報酬月額の平均額」のうちいずれか低いほうの金額を使って計算します。

協会けんぽの標準報酬月額の平均は28万円。

Aさんの退職時の標準報酬月額は30万円ですが、28万円で算出することになります。

よって、40歳のAさんの任意継続保険料は月3万2256円です。

協会けんぽ(東京)の任意継続被保険者保険料Aさんの場合、扶養家族が2人いることもあり、任意継続を選択したほうが月額1969円節約できることがわかりました。

ただ、妻も40歳以上であったり、子供や配偶者がいない人であれば結果は違います。

Aさんがシングルの場合、国保保険料は年間33万303円になり、月に換算した額が2万7525円になります。

こうなると明らかに国保有利です。

それともう1つ。

任意継続できるのは最長2年です。

しかも保険料の計算のもとになる標準報酬月額は2年間変わりません。