[其ノ一 株ランキング編]逆風相場に強い、王道の売り株とは?
FXと違い、株は買いから入るのが一般的。しかし、軟調相場が続くなら信用売りこそ投資成績アップの条件。狙い目&危険銘柄の基準とは?


シャープ、ソニーなど、下降トレンド株がみごとなほど人気だった

今年4月以降のような軟調相場が続くと、「買い」だけではなかなか儲かりません。そこで考えたいのが信用取引の売り。信用取引の損益状況を見ても、信用買いに比べて信用売りのほうが好成績で、アクティブに取引する上級者ほど、信用売りを駆使して損失の少ない取引をしています。

下のランキングは、今年8月の、松井証券で信用売りが多かった銘柄です。上位にはシャープ、ディー・エヌ・エー、グリーなど旬な人気銘柄が並びました。ソフトバンクやファーストリテイリングのように長期間上昇が続く銘柄に対して、逆張りの信用売りを行ないがちなのも個人投資家の特徴です。

そんな中、大きく儲けている投資家の手法は、やはり下落トレンドをしっかりトレンドフォローすること。ソニー、関西電力、シャープ、最近では不調の中国関連のコマツなど、一貫してチャートが右肩下がりの銘柄の下落に乗るのが正攻法です。

ネット証券の銘柄スクリーニング機能は、あくまで?買いがメイン〞なので売り銘柄の発掘は難しいのですが、ネット上には実際のチャートの天地を逆にした「逆さチャート」も出回っています。それらを使ってチャートが天井知らずで急騰(実際には暴落)している銘柄を探すのが◎。

反対に信用売りで一番危険なのは、株価が爆発的に上昇した小型材料株を「急騰しているから」という理由だけで安易に売ること。株価の急騰が続いてしまうと理論上、損失は無限大。信用売りした投資家が損切りのために慌てて株の買い戻しに走ると、それ自体が株価上昇に拍車をかけます。株の買い方も、この「売り方の踏み上げ急騰」をターゲッ
トにした取引をしてくることもあるので要注意です。

信用買い残を売り残で割った貸借倍率が1倍を下回っているような銘柄は「逆日歩」という貸株コストが高額になるリスクもあります。毎週火曜日夕方発表の東証の信用取引残高や、毎日発表の日証金の融資・貸株残高で、信用売りの増加を確認しましょう。

また、ビギナーは信用取引残高ランキング上位の人気大型株のほうが出来高も多いので取引しやすいはず。買い残が売り残を上回って逆日歩リスクが小さい下降トレンド銘柄を狙うのが無難です。



【人気急上昇中!】
窪田朋一郎(TOMOICHIRO KUBOTA)
松井証券 シニアマーケットアナリスト

2001年、松井証券に入社。マーケティング部を経て現職。ネット証券草創期から株式を中心に相場をウオッチし続け、個人投資家の動向にも詳しい。


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この記事は「WEBネットマネー2012年12月号」に掲載されたものです。