エチケットには力強い「寿司」の文字

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日本の国民食ともいえる「寿司」。その寿司を名前に冠したワインがある。しかも、日本のワインではなく、スペインワインだというからおもしろい。

先日、近所のスーパーで見つけた「OROYA(オロヤ)寿司ワイン」。シンプルながらインパクトのある見た目が気になって、1本買ってみた。

飲みごろだという6〜8度に冷やし、さっそく飲んでみることに。まず印象的なのが、淡いレモンのような美しい黄色。香りは、リンゴや桃を思わせる果実の華やかさがあり、口当たりは軽く爽やかでキレがある。マグロやサーモンなど寿司ネタはもちろん、酢飯、しょうゆ、ガリなどにもよくなじむバランスのよい仕上がり。原料となるブドウには、モスカテル、アイレン、マカベオを使っているそうで、やや辛口な味わいだ。

同ワインの製造者はスペインのワイナリー、ウニオ・セラーズ・デル・ノヤ。実は同ワイナリーには日本人ワインメーカーの女性がおり、彼女がオロヤブランドを手がけている。

もともとは、スペインをはじめ、欧米や中国など海外のみで売られていたオロヤの寿司ワインだが、今年春からついに日本への輸入がスタート。日本総発売元である国分株式会社の担当者いわく、
「ラベルのインパクトや分かりやすさ、味わいの良さなどを総合的に判断し、輸入を決めました」
表面のエチケットには日本の国旗が描かれ、裏ラベルの商品名はのれん風のデザインになっているなど、細部にも日本らしさを演出。このワインが世界各地で飲まれていると思うと、なんだか不思議な感じ。

希望小売価格は1,260円(税込)。商品は全国各地のスーパーで販売しているほか、寿司屋・居酒屋など和食店でも提供されている。
「予想以上の反響で順調に推移しています」
謳い文句は寿司に合うワインだが、当然、刺身にも、また天ぷらとも好相性だ。

ちなみにオロヤとはスペイン語で、川の岸から対岸へと物品を運ぶ手段である「かご」の意味。「このワインが、日本とスペインの文化伝承の橋渡しとなるように」との願いが込められているそう。

新たなスタイルの日本とスペインの食のマリアージュを実現する同ワイン。日本の食卓にもしっくりなじむので、ぜひ一度試してみては。
(古屋江美子)