「フェス」とは、どうやら音楽だけのものではないようです。今までにない新たな「読書」を提案する『読書フェス』が、本日、秋晴れの上野恩賜公園野外ステージ(東京・上野)で開催されました。

 これまで、当たり前のように1人で読んでいた読書という行為。しかし、読書フェスでは、野外ステージに登場する作家や漫画家、歌人、ミュージシャンが読み上げる声を通して読書を楽しむのです。

 作家・川上未映子は、これまでも何度か朗読を行なったことがあるとのこと。しかし、いつもは音楽と一緒に行なっているため、こういった朗読オンリーのイベントは、初めてだといいます。自身の2作目の詩集『水瓶』のなかから「わたしの赤ちゃん」を読み上げました。聞き入るお客さんが多いなか、あっという間に持ち時間が経過。一篇すべて読み終えると「朗読だけでは...」ということで、なんと1曲歌のサービス。自由に表現を楽しめることも、読書フェスならでは。

 翻訳家・柴田元幸は、朗読する作品を決めきれなかったため、来場者に決めてもらい、即興で挑戦。音楽家・高木正勝は、ピアノを弾きながらの朗読に挑みました。100文字程度の朗読ではありましたが、音楽とあいまって、一つのスタイルとして完成しました。

 また、作家・マンガ家の小林エリカが朗読するなか、会場が合唱をするといったコラボレーションが急遽はじまったり、落語家・三遊亭白鳥が当日のギャラを暴露し笑いに包まれるなど、表現者もステージを楽しんでいました。

 学校を卒業し、いつしか「読書」は個人で楽しむものとなっていました。しかし、今回のイベントのように、誰かが読み上げる物語を聞いていると、情景をイメージすることに集中することができるので、より深く物語の世界観に浸ることができます。

 新たな読書スタイルを提案したこの読書フェス。今度は家でプチ読書フェスを開催したいものです。





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