やっぱり焦っているのは間違いない。今年納めの九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付も発表され、力士たちはいよいよ決戦モードに突入だ。
 そんな中で、ひと際、気合いが入っているのが横綱白鵬(27、宮城野)。なにしろ今年になって優勝したのは春場所のたった1回だけで、この3場所、連続して優勝から遠ざかっているからだ。
 「自分でも、どうして失速したのかわからず、動転しているんじゃないでしょうか。土俵外の行動もちょっと変。これまでは双葉山を尊敬し、不動心でうろたえたところはまったく見せなかったんですが、福岡に乗りこむ前の北陸、四国、中国地方をまわった秋巡業では、東京駅で新幹線に乗り遅れそうになり、出発1分前にかろうじて列車に飛び乗るという失態を演じています。落ち着きを失っているとしか言いようがありません」(担当記者)

 おかしいのは土俵外だけではない。日馬富士の昇進で、平成22年春場所から15場所も続いていた“ひとり横綱時代”にようやくピリオドを打ち、「これからは余計な神経を使わず、もっと気楽にやれる」と師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)は話しているものの、秋巡業では気楽どころか暴走気味。巡業での横綱の稽古といえば、平幕や若手の力士を捕まえて手の内を調べたり、自分の体調を整えたりするのが普通なのだが、10月22日の鳴門巡業(徳島県)で白鵬はなんと、稽古相手にライバルの日馬富士を指名し、9番連続して取ったのだ。
 「結果は白鵬の6勝3敗でした。最後は4連勝で締め、報道陣にどや顔をしていました。まだまだオレが第一人者だというところを見せたかったんでしょう。この日以外にも、21日の富山巡業では栃煌山に強烈な突き押しを見舞って鼻血を出させ、23日の小豆島巡業(香川県)でも高安にかちあげで鼻から出血させています。どちらも性格が真面目で、誰からも好かれる有望株。あんな稽古ばかりしていると、そのうち誰も寄りつかなくなりますよ」(巡業関係者)

 暴行疑惑で引退に追い込まれた朝青龍も、白鵬の台頭でブレーキが利かなくなった。白鵬も同じ轍を踏まねばいいが。