集中タイムをどう確保するか? −「仕事が忙しい!」の9割は思い込みだった【3】

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集中力が長続きしない人は、自分の内的時間と外的時間を把握することから始めてみてはいかがでしょうか。

残念ながら、私たちは時間の変化を自由にコントロールすることはできません。朝になれば自然に太陽が昇り、夕方になれば日が沈んで夜になります。こうした周期に合わせて、朝出社して12時にランチを食べたり(外的時間)、夜になったら勝手に眠くなる(内的時間)。自分を取り巻く時間は、有無を言わさず変化していきます。

とくに変化に気を配りたいのは内的時間です。内的時間は体内リズムのようなもので、人によって違いがあります。私の場合、早朝6時までは体が軽く、さまざまな「活動」をするのに適しています。この時間帯ならパッと目覚められるし、ルーティンな作業もはかどります。

朝7時から10時は、逆に体が重くなって「安定」を求めます。だから起床がこの時間帯にずれこむとつらい。ただ身体が活動的でない半面、思考は冴えています。そのためこの時間は企画を練ったり物事を考えることに適しています。

午前10時から午後2時は、体に溜まったものが燃焼して「情熱」的になる時間帯で、じっとしていられなくなります。そのため体を動かす作業だけでなく、人と会話したり、外に出るような仕事に向いています。

いったん燃焼させると体が軽くなり、午後2時からはふたたび「活動」に入ります。さらに夕方18時から「安定」というように、一定のリズムを繰り返しながら1日の時間が流れていきます。

それぞれの時間帯に適した作業をその時間帯に行っているとき、私たちは「気分が乗っている」「絶好調だ」と感じて、集中力を最大限に発揮しています。ただ、リズムには波があるため、ピークを過ぎて低調になると、能率が落ちたり、やる気が失われていきます。たとえば思考に適した時間帯なのに、無理やり体を動かす作業をすれば、なんとなく落ちつかない気分になる。これが集中力の途切れた状態です。

では、どうすれば集中力をキープできるのか。リズムを自分の都合で動かすことはできないので、リズムに合わせて作業のほうを変えればいいのです。

「安定」の時間帯には思考的な作業をすればいいし、ゴールテンタイムが終わって「情熱」の波がきたら、営業やプレゼンといったアクティブな作業に切り替えればいい。さらに「活動」の波がやってきたら、報告書作成などの書き仕事に集中してもいいでしょう。このようにそれぞれのリズムのピークをとらえて最適な作業を行うことで、24時間つねに絶好調を維持することが可能になります。

大切なのは、行動と同時に頭を切り替えることです。リズムに合わせて作業を切り替えたものの、頭のほうで「さっきの仕事は……」と引きずっていると、集中力は半減してしまいます。とくに注意したいのは休憩タイムです。休憩時間は休憩に集中すべきなのに、多くの人は頭の切り替えができず、「いま休んでいる場合ではない」「いまパソコンがあれば、あの仕事ができる」と別のことを考えがちです。カラオケするなら「ストレス発散する」ことを、だらだら過ごすなら「何もしない」をファンクションにして、それを徹底的に追求すべきでしょう。

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ファンクショナル・アプローチ研究所 代表取締役社長 横田尚哉(よこた・ひさや)
改善士。世界最大企業であるGE(ゼネラル・エレクトリック)の価値工学に基づく分析手法を取り入れて、総額1兆円の公共事業改善に乗り出し、10年間でコスト縮減総額2000億円を実現させた。「30年後の子供たちのために、輝く未来を遺したい」という信念のもと、そのノウハウを潔く公開するスタイルは各種メディアの注目の的となっている。全国から取材や講演依頼が殺到し、コンサルティングサービスは約6カ月待ち。また、「形にとらわれるな、本質をとらえろ」というメッセージから生み出されるダイナミックな問題解決の手法は、業務改善にも功を奏することから「チームデザイン」の手法としても注目が高まっている。

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(ファンクショナル・アプローチ研究所代表取締役 横田尚哉=分析 村上 敬=構成 葛西亜理沙=撮影 ファンクショナル・アプローチ研究所=図版提供)