シャープ上期決算にコメント、下期は「収益性の改善が重要」--ムーディーズ

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ムーディーズ・ジャパンは5日、Moody's Investors Service Hong Kong Ltd (ムーディーズ・ホンコン)が2012年11月5日付で、シャープについて、2013年3月期下期に収益性とキャッシュフローを改善させることが、同社が直面する流動性の問題を克服する上で重要であるとコメントしたと発表した。

2012年11月1日、シャープは2013年3月期の上期決算を発表。

ムーディーズによると、シャープの短期有利子負債(1年以内に償還を迎える社債を除く)は3月末時点の5,633億円から、9月末時点で6,787億円まで増加した。

「これは、768億円のフリーキャッシュフローの赤字が主な要因である」(ムーディーズ)。

ムーディーズによると、この間、短期借入金が2,123億円から5,112億円まで増加する一方、コマーシャルペーパーの残高は3,510億円から1,675億円まで減少。

シャープは、コマーシャルペーパーを主要取引銀行(みずほコーポレート銀行(格付A1、安定的)及び三菱東京UFJ銀行(格付Aa3、安定的)など)からの借入でリファイナンスしている。

2012年10月に、シャープは両行との間で、2013年6月までを契約期間とする総額3,600 億円のシンジゲートローン契約を締結した。

ムーディーズは、「2013年1月までに償還を迎えるコマーシャルペーパーについて、シャープは銀行借入でリファイナンスしていくものと考えている」。

同シンジゲートローンは、シャープによる当面の有利子負債の返済原資確保に寄与するものの、「同社は依然として、(1) 短期銀行借入金の長期化に向けた交渉、(2) 2013年9月に償還を迎える転換社債2,000億円の償還原資確保、に取り組んでいく必要がある」(ムーディーズ)。

ムーディーズによると、直近の同社の決算短信の中では、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような事象または状況が存在している旨が記載されている。

ただし、シャープは、構造改革を推進していることから、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められない旨併記しているという。

こうした状況に対応するため、「2013年3月期の下期において、営業利益及びキャッシュフローの黒字化を会社計画通りに達成することが、重要な一歩となろう」(ムーディーズ)。

現在は、液晶事業などの赤字事業が、黒字事業である健康・環境機器事業や情報機器事業からのキャッシュフローを上回る状況が続いているという。

「ノンコア資産の売却も実施される見込みであるが、規模やタイミングについては依然不確実性があろう」(ムーディーズ)。