なぜ、チームの論理を優先する人材は捨てられるのか

写真拡大

■相互作用型の人材を育成する

チームから見たとき、個人のチームにおける参加形態は5つに分けられます。

形式的にチームに属しているものの、実質的にかかわりを持っていないのが「断絶型」です。

一匹狼タイプといえば聞こえがいいですが、チームの生産性に貢献するメンバーとはいえません。チームから見ると「枯れ木も山のにぎわい」といったところでしょうか。

基本的にチームに無関心だが、自分にかかわるところだけ参加するのが「接触型」です。みんなで議論しているときに輪に入ってはきませんが、関心のあるテーマだけ口を出すタイプです。このタイプもチーム作業に向いているとはいえません。

次に、「相互作用型」です。このタイプはチームに協力的で、作業に積極的にかかわっていきます。同時に、チームに依存せずやっていけるだけの個人の力も備えています。

個人で磨いたことをチームに活かして、チームで学んだことを個人にフィードバックする。そうやってチームへの貢献と自己の成長を同時に進めていくのが特徴です。

相互作用型は確固たる自分があるので、チーム作業をしていても、「誰かにやらされている」という感覚がありません。これは仕事をしていくうえでとても大切なことです。

一方、チームへの貢献を意識しすぎて、チームの中に埋没する「吸収型」の人も少なくありません。いちおう自分なりの意見は持っていますが、チームの論理を優先するため、個の意見を表明することはありません。

それが行き過ぎて自分で考えることをせず、チームの決定に諾々と従う「付和雷同型」になります。

■自己成長のためのパーソナルな核を持つ

個人の成長には、核となるパーソナルな部分が必要です。

ところが付和雷同型の人は肝心の核が失われているため、自己成長できません。チームから見ると代替可能な歯車に過ぎず、いずれ摩耗して他の人にとってかわられるリスクを抱えています。

チーム作業に最適なのは、パーソナルな部分をしっかり持ちつつ、そこにチーム作業を重ねていく相互作用型です。

黙って従う吸収型や付和雷同型は、短期的に見るとチームに大きく貢献します。しかし、個人としての成長に乏しいため、長い目で見ると貢献度が減っていきます。

継続的に貢献してくれるのは、自己で成長を続ける相互作用型なのです。

チームのリーダーは目先の扱いやすさや短期的な利益にまどわされず、長期的な視野で人材を育てていく必要があります。

相互作用型の人の割合をいかに増やすか。それがチームを強くするポイントの1つです。

(※『ビジネススキル・イノベーション』第3章 チームをマネジメントする(プレジデント社刊)より)

(横田尚哉)