3月に行われた世界選手権で銀メダルを手にし、日本男子として初めて、世界選手権で3つ目のメダルを獲得、新たな歴史を作った日本のエース、高橋大輔(26才)。初出場で3位に入る急成長ぶりを見せた後輩の羽生結弦(はにゅうゆづる・17才)について、「彼には負けたくないという思いはありますか?」と聞くと、間髪入れずに「負けたくないです!」と答えて照れたように笑った。

「彼だけじゃなくて、日本の中では絶対に誰にも負けたくないです」

 そう言い切った高橋は5月、かつて師事していた世界的名コーチ、ニコライ・モロゾフとの師弟関係を再開した。モロゾフといえば、荒川静香(30才)をトリノ五輪金メダルに導き、安藤美姫(24才)を2度世界チャンピオンにした実績を持つ人物。

 かつて3年間指導してきた高橋との師弟関係を解消することになったのは、2008年春のこと。当時の盒兇砲箸辰胴馥盧蚤腓離薀ぅ丱襪世辰真ヅ朕成(25才)がモロゾフに師事すると発表された後。愛弟子だった高橋には寝耳に水だったのだ。高橋はその頃を振り返り、

「当時の自分は、あの状況を受け入れるだけの器量がなかった、ということです」

 と彼らしい謙虚さで思いを口にした。今回、4年ぶりに彼と向き合うことについては、

「期待していたのにこんなものか、と思われたくない。ある意味で、ニコライとの勝負のような気持ち」

 と、新たなプレッシャーを自分に課した。2008年には練習中に転倒して、右膝の大怪我をした。それを乗り越え2010年のバンクーバー五輪で銅メダルも獲得したが、彼の4回転ジャンプが本格的に戻ってきたのは昨シーズンからだ。

「一時はアマチュア引退も考えたが、やめなくて本当によかった」と口にした高橋。2日からの中国杯でも、日本男子のエースとして、活躍してくれるに違いない。

※女性セブン2012年11月15日号