ヤバイ!!増税上がりっぱなしスケジュール
給与明細を開くと総支給額の低さにも増して、手取り額の激減ぶりに暗たんたる気分になるはず。しかし、少子高齢化や復興にかこつけた政府の増税&年金・健保の負担増攻撃は終わりそうにもない。消費税率10%だけでなく、今後も上がりっぱなしの税金・社会保障費。戦慄の増税スケジュールを見よ!


専業主婦世帯やお金持ちに厳しい増税ラッシュ。消費税不況も心配の種

いよいよ消費税10%時代。大増税の足音はすでに大音響で家計に押し寄せている。「16歳未満の子供がいる世帯では今年6月から住民税が毎月2750円アップしました。多くの給与世帯に影響する厚生年金の保険料率も10月から0.177%アップ。来年1月からスタートする復興特別所得税で所得税率も2.1%アップします。給与明細の手取り額がどんどん減っていくのは間違いない」

と語るのはファイナンシャル・プランナーの西原憲一さん。とどめを刺すのが今後、5%から8%、10%に引き上げられる消費税であることは言うまでもない。

次に、「2016年には2011年比の実質可処分所得が最大8%超もマイナスになる!」という世帯別の試算を発表した大和総研金融調査部。この興味深いレポートを作った制度調査課の是枝俊悟さんは語る。

「一連の負担増で最も打撃を受けるのは妻が専業主婦で子供がいる世帯になりそうです。消費税は世帯構成に関係なく、一律に負担が上がりますが、子ども手当関連の負担増が大きくなるためです。1997年の消費税率5%への引き上げ時は、所得税や法人税は引き下げられました。しかし、今回は税収を増やすことが目的なので、セットの減税はありません」



子ども手当が増税の道具になった…。住民税も急激アップ

子ども手当のように当初は?負担軽減策〞だったはずのものが、いつのまにか増税の道具に使われている。今年6月に子育て世帯の住民税が急激にアップしたのも、子ども手当の代わりに年少扶養控除が廃止されたからだ。

「肝心の子ども手当は『児童手当』と昔の名に戻って減額され、結局子育て支援にはつながりませんでした。今回の消費税増税にしても、もともとは『社会保障と税の一体改革』の一環として税制全体を見直す予定でしたが、所得税や資産課税は手つかずのまま1年間先送りしたというのが現状です。今後は低所得者向け消費増税の軽減措置が議論されると思いますが、そこで減った分は高額所得者の所得税や相続税の増税で賄おうという流れになるのではないでしょうか」(是枝さん)


だらだら続く増税、復興税は25年間、厚生年金アップは13 年間…。

国民の反発を嫌ってか、増税・増負担がだらだら長期にわたって続くのも最近の特徴だ。来年1月からスタートする復興特別所得税は25年間も続くし、厚生年金の保険料率も2004年に始まり2017年まで13年間もジワジワ上がり続ける。

「税や社会保障費の仕組みがつぎはぎだらけであまりにも複雑なため、国民はすぐに負担増を実感できません。いったい、どれくらいの負担増になったか、給与明細を見て初めて愕然とする事態を避けるためにも、増税スケジュールを前もって知っておくべきですね」(西原さん)

大増税で収入が減ったうえに、景気も悪くなって給料自体がガタ減りするダブルショックにも、念のため備える必要がある。

「増税すれば不況になって、給与所得も下がり、税収が伸び悩むのは必至ですし、かといって増税しなければ世界一の巨額な財政赤字は膨らむ一方です。いずれにしても?いばらの道〞が待っています」(西原さん)

本来は経済成長策や行政改革こそが最優先課題のはずだが、政府にその気はなさそう。大増税には、ひたすら自己防衛するしかなさそうだ!





『ネットマネー』イチオシの税理士さん!
西原 憲一(KENICHI NISHIHARA)
UFPF代表取締役

株、外貨、投信などの資産運用はもちろん、暮らしのマネー全般に精通するファイナンシャル・プランナー(FP)。なかでも一番の得意分野は税金。税理士としてバリバリ実務をこなし、FPとしても全国で活躍する、『ネットマネー』読者の強い味方。



是枝 俊悟(これえだ しゅんご)
大和総研金融調査部 制度調査課研究員

2008年、早稲田大学政経学部卒業後、大和総研入社。税制を中心に財政・金融の制度改革の影響を研究している。年金二重課税や復興増税などの論文も多数あり。社会保険労務士でもある。



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この記事は「WEBネットマネー2012年12月号」に掲載されたものです。