ゲーム(ハードメーカー)編

業界トレンドNEWS Vol.150

ゲーム(ハードメーカー)編

スマホ、タブレット、PC…。ゲーム機以外の端末と市場を争う中、ゲーム機ならではの魅力とは?


■スマホとの競合が激化して経営環境は厳しい状況。「新しい楽しみ」の提案力が今後の鍵を握りそう

2011年は、任天堂、ソニー・コンピュータエンタテインメントの双方から、新型の携帯ゲーム機が登場した。11年2月に発売された任天堂の「ニンテンドー3DS」は、発売直後に東日本大震災が発生したことも影響し、一時、売り上げは目標を下回る水準で足踏み。しかし、『マリオカート』『モンスターハンター』といった大作ソフトの発売や価格改定により、その後は販売数を順調に伸ばしている。12年2月には国内累計販売台数が500万台を突破した(下ニュース記事参照)。一方、ソニー・コンピュータエンタテインメントも、11年12月に新型携帯型ゲーム機「PlayStationVita」を発売。ところが、こちらは前世代のゲーム機「PlayStationPortable」とシェアを食い合う結果となって苦戦中だ。今後は、ゲーム機本体をけん引するような大作ゲームの登場が待たれる。

新型機が登場したゲームハード業界だが、売り上げの面から見ると厳しい1年だった。社団法人コンピュータエンターテインメント協会の『2012CESAゲーム白書』によると、11年の国内家庭用ゲーム関連企業における家庭用ゲームハードの総出荷額は9265億円。これは、10年(1兆1269億円)に比べて17.8パーセント減だった。また、任天堂の「Wii」が発売され、空前の出荷額を記録した07年(2兆878億円)に比べると、半分以下の規模になっている。背景にあるのは、ゲーム専用機以外でゲームを楽しむ層が増えていること。ディー・エヌ・エーが運営する「Mobage」や、グリーが運営する「GREE」といったソーシャル・ネットワーキング・サービス型のゲームは大きな人気を博しているし、スマートフォンやタブレット端末向けのゲームも、徐々にシェアを拡大しつつある。また、高性能化が進むパソコンでゲームをする層も少なくない。

こうした状況を打ち破るために、各社は「ゲーム機ならではの楽しみ方」を打ち出そうと努力を重ねている。そこで注目されているのが、任天堂が12年11〜12月に発売する据え置き型ゲーム機「WiiU(ウィー ユー)」だ。専用コントローラー「WiiUGamePad」には小型の液晶ディスプレイが搭載され、プレイヤーごとに異なる画面を見ながら遊ぶことで、「情報の非対称性」を楽しむことができる。また、コントローラーにはタッチパネルやNFC(NearFieldCommunicationの略。電子マネー機能が内蔵された携帯電話などのように、かざすだけで情報をやりとりする仕組みのこと)などが組み込まれていて、「タッチパネルを使ってテレビ画面上のキャラクターを操作」「NFCが内蔵されたトレーディングカードとゲームの連動」といった新しい遊び方も可能だ。ゲーム業界志望者なら、この新機種の動向はぜひチェックしておきたい。

モーションセンサーを使ったゲームも、注目度が高い分野。10年9月にソニー・コンピュータエンタテインメントから発売されたプレイステーション3用コントローラーの「PlayStationMove」や、前述の「WiiUGamePad」には、コントローラーを動かす速度や角度などを読み取るセンサーが内蔵されており、より直感的で新鮮な操作が楽しめる。また、10年11月にマイクロソフトから発売されたXbox360用コントローラーの「Kinect(キネクト)」は、カメラやマイクを使ってプレイヤーの動きを検知してゲーム操作が可能。これらを活用したゲームにも、引き続き期待が集まっている。