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 今年6月のStartup Jakartaでは、その圧倒的な完成度で優勝を勝ち取ったmac用動画発信ソフトのMoSo。当時から制作中であったモバイル動画アプリが、10月30日、iOS版のVidssage(ヴィッセージ)という名前でリリースされた。VideoでMessageでVidssageだ。

 使い方は本当に簡単。テンプレート選択・録画・共有の3ステップで、iMovieなどでは成し得なかった手軽さを実現させている。通常はFacebookの自分のウォールに流されるが、Facebookの友人の誕生日を祝えるモードを使うと、その人のウォールに投稿することも出来る。

 同社はさすがに映像に関する専門家集団だけあって、アプリの説明動画も分かりやすく秀逸である。この動画を見るだけで全てが理解できそうだ。

 ポイント制を導入しており、初回起動時は3000からスタート。テンプレートを購入したり、逆に招待や誕生日動画の投稿でポイントが加算されるゲーミフィケーション性も持つ。

 株式会社MoSo代表の村越慎司氏によると、これまでオンライン動画は発信としてのツールだった。mac版として出したMoSoもYouTubeにアップするためのソフトとして、ビデオブロガーに好評を博していた。

 一方、これまでモバイル動画が共有されなかった理由として、重い、難しい、共有する理由がない、という3つのハードルがあると同氏は分析する。しかし、Facebookやスマホが普及した今後、動画のあり方が根本的に変わってくるという。すなわち、今までは保存するためのものであった動画は、共有つまりコミュニケーション手段としての存在になる。(Vidssageを使って撮った動画のカメラロール内保存も可能)

 Vidssageは、コンセプトや操作性など、その壁を超えさせるために最適化されたアプリである。いわゆる写真加工・投稿・共有系のアプリを使ったことのある人にとっては、動画共有へのハードルも難なく超えられそうだ。

Vidssage(ヴィッセージ)
iOS版、無料
http://www.vidssage.com/jp/index.html

蛇足:私が思うに、
 仕事として写真を撮っていると、Photoshopで丁寧な加工をし、ストレージにちゃんと保存させることを最優先にしている。そういう写真は、撮ってから見せるまで時間を要する。長い年月がかかったり、それどころか見せないまま眠らせる写真の方が多い。私はこれまで、こういう写真との付き合い方に慣れてきた。

 でも確かに、スマホ・Facebookになってから、オンライン上で今すぐの会話のきっかけになる写真の楽しさが分かった。そういうことがこれから動画でも起こるのだろう。特に北米では、動画におけるinstagramの位置を狙っているプレーヤーは多い(とメディアはよく騒いでいる)。Vidssageはそこに入り込めるだけの可能性を秘めたアプリだと思う。
著者プロフィール:本田正浩(Masahiro Honda)

写真家、広義の編集者。TechWave副編集長
その髪型から「オカッパ」と呼ばれています。

技術やビジネスよりも人に興味があります。サービスやプロダクトを作った人は、その動機や思いを聞かせて下さい。取材時は結構しっかりと写真を撮ります。

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