メダボリックシンドロームに対する健康ブームにより、機能性飲料はここ数年、注目を集めている。富士経済の調べで2012年の機能性飲料は、話題性の高い新ブランドが続々投入されており、これらが含まれる食系ドリンクが前年比105.4%、1,407億円、健康サポート飲料も同102.9%、787億円など市場は活性化すると見込まれているという。

 この機能性飲料とは、明確な定義はないものの健康食品の一種で、健康の保持や増進に役立つ各種ビタミン類やミネラル、アミノ酸などの素材が配合された清涼飲料水を指す。

 例えば化粧品業界ではポーラ <4927> は、からだの水分とうるおいを補給する低浸透圧設計の美容系機能性飲料「ハイポトニックウォーターバランスアクア」を発売している。同製品はグレープフルーツ風味で、水分をすばやく吸収し、長くとどまらせるハイポトニック設計で、しかも、発汗で失われがちな4種のミネラル(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム)をバランスよく配合。また、高純度のヒアルロン酸を120mgも配合し、からだの内側からうるおいを補給する、化粧品会社ならではの視点で開発した美容系機能性飲料となっている。

 また、田辺三菱製薬 <4508> はロングセラーブランドである『アスパラ』ブランドから、疲れを感じたその時に、手軽に自動販売機で購入できる「アスパラ ドリンクDX」を全国のダイドードリンコ <2590> の自動販売機で発売している。これはダイドードリンコの子会社である大同薬品工業がドリンク剤のOEM生産に特化した事業を行っており、本品を受託製造している繋がりであると考えられる。同製品はこれまでの「アスパラ&reg;ドリンクX」の処方を強化し、タウリンは1.5倍の1,500mg、アスパラギン酸カリウム・マグネシウムはいずれも1.2倍の120mgに増量しているという。

 機能性飲料は飲料業界、薬品業界をはじめ様々な企業が力を注ぎ、製品の開発、販売網の拡充に力を注いでいる。今後、どのような機能性飲料が登場するのか、楽しみである。(編集担当:宮園奈美)