「時代劇はちょっと……」なんて敬遠してしまう女性もいるかも知れないが、本作は女性も楽しめるエンターテイメント。
(C) 2011『のぼうの城』フィルムパートナーズ

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11月に入り学園祭シーズン真っ只中、盛り上がっているのは大学だけではない。今週末は話題の邦画が続々と公開。文化の日の週末にふさわしい幕開けになりそうだ。

のぼうの城


まず先陣を切って昨日公開したのは『のぼうの城』。
第139回直木賞候補となり、累計175万部を突破したベストセラー同名小説を、犬童一心監督(『ジョゼと虎と魚たち』)&樋口真嗣監督(『日本沈没』)がW監督で手がけ映画化。豊臣秀吉が全国を統一しようと最後の敵である北条陣を攻め入ろうとしていた時代、領民から「のぼう様」(でくのぼう)と呼ばれ慕われる成田長親が、たった500人の軍勢で2万人の三成軍に挑む歴史スペクタクル。と書くと、「時代劇はちょっと……」なんて敬遠してしまう女性もいるかも知れないが、本作は女性も楽しめるエンターテイメント。

(ただし、水攻めや合戦のシーンは少々の心づもりを)。主演の“のぼう様”(=成田長親)演じる野村萬斎はじめ、市村正親、佐藤浩市、上地雄輔、山口智充、山田孝之、成宮寛貴ら、まるで漫画から抜け出たような個性的なキャラクターは、誰もが“肉食系”。無謀な輩もいるけれど、今の時代の女性にはかえって魅力的に映るかも?普段はひょうひょうとしているが、いざとなったら捨て身で城を守る“のぼう様”を見て、「私の会社の上司に見習って欲しい」と思う働き女子が多いとか……。史実をベースにしているだけに、こんな奇特な人物が日本にいたんだという新たな発見も。

11月2日(金)よりロードショー
公式サイト:映画「のぼうの城」オフィシャルサイト

北のカナリアたち


そして、東映60周年作品として作られたのが、吉永小百合主演の『北のカナリアたち』。これまたサユリストの男性向けの作品かしら? と思われるかも知れないが、そうではない。
『告白』の原作者、湊かなえの小説「往復書簡」の一編「二十年後の宿題」を元にを、阪本順治監督(『どついたるねん』『大鹿村騒動記』)が映画化したヒューマン・サスペンス。ストーリーは、“かつて北海道の離島で教師をしていた「川島はる」のもとに、衝撃的な事件の知らせが舞い込む。はるは、かつての教え子たちを訪ねるが、彼らが口にするのは「20年前の事故」のこと。凍てつくような北の地で、はると教え子たちは、懐かしき歌を取り戻せるのか――?”といった内容。その教え子役には、森山未來、宮崎あおい、松田龍平、満島ひかり、小池栄子らが出演、他にも柴田恭兵、里見浩太朗、仲村トオルらベテラン勢が脇を固める。

名カメラマンで名高い木村大作が撮影した北の大地が本作の登場人物たちと溶け合い、観客に感動をもたらしている。既に見た方々からの評価も高く、映画だからこそ味わえる感動をもらえそうな1作。

11月3日から全国ロードショー
公式サイト:映画『北のカナリアたち』|東映創立60周年記念作品

JAPAN IN A DAY


先ほどの2作品は、豪華キャストが目玉だったけれど、本作は、何と誰ひとりとして俳優さんが出ていない話題作。
『グラディエーター』のリドリー・スコットが製作総指揮を担当し、「2011年3月11日の東日本大震災からちょうど1年後のその日どのように過ごしていましたか?」として、その映像を世界に向けて大募集。そこで寄せられた約8,000件、およそ300時間の動画を、フィリップ・マーティン&成田岳監督が編集、一本の映画に仕上げた新しいタイプの映画なのだ。

そこには、親子で公演に遊びに行く姿や婚姻届を出すカップル、震災の影響で妻と子供と離れて過ごすことになったお父さんの暮らしぶりなど様々な人々の一コマが綴られていくのだが、何でもないような日常が、3月11日だというだけで特別なものに感じられてくる。年末にかけて泡立たしい日々を送りがちになる前に、1日の大切さをしっかりと噛みしめたい。大切な人と一緒に見ると何だか絆が深まりそう。

11月3日より全国順次ロードショー
公式サイト:映画『JAPAN IN A DAY』公式サイト

さいごに


今週末は上記3本のほかに、日本推理サスペンス大賞に輝く高村薫のデビュー小説を、『パッチギ!』の井筒和幸が実写化、妻夫木聡、浅野忠信、桐谷健太、東方神起のチャンミンなど、豪華な顔ぶれが集まった『黄金よ抱いて翔べ』。料理研究家・作家として活躍する辰巳芳子さんの人となりを追ったドキュメンタリー映画『天のしずく 辰巳芳子“いのちのスープ”』なども公開。(もちろん洋画も多数)バラエティ溢れたラインナップとなっている。お気に入りの作品が見つかったら、3日の文化の日らしく、じっくり作品と向き合ったり、友人や恋人、SNSなどでその作品について語り合うのも貴重なひとときになりそう。
(mic)